『神様の裏の顔』あらすじとネタバレ感想|聖職者か、犯罪者か?|藤崎翔

- 『神様の裏の顔』あらすじと感想文
- 先生の疑惑
- 二転三転する展開
- 絶妙なユーモアセンス
少しだけネタバレあります。
彼の裏の顔は、果たして存在するのか?
藤崎翔さんの小説『神様の裏の顔』感想です。二転三転する展開が面白く、後半は一気に読みでした。
坪井先生には二面性がある?
普段はとても優しい人がまったく別の「顔」を持っていたら・・・。

リアルにありそうで、少し怖かった。
『神様の裏の顔』あらすじ
横溝正史ミステリ大賞受賞作
坪井誠造の通夜に参列する、かつての教え子たち。彼らが坪井を偲んだとき、想像もしなかった新たな顔が見え隠れし・・・。
『神様の裏の顔』ネタバレ感想文
『神様の裏の顔』は、神様のような清廉潔白な坪井先生が亡くなり、お通夜の席で展開されるお話です。そこに集まった7人の男女が故人を偲んでいるうちに話は妙な方向にズレていく・・・。
坪井先生は もしかしたら、とんでもない犯罪者ではないのか!?

彼の裏の顔は、果たして存在するのかな。
先生の疑惑

読経、焼香、喪主挨拶、通夜ぶるまい、控室・・・。お通夜というのは亡くなった故人を偲ぶ場ですが、思い出に浸っているときにある疑惑がわきあがってきます。
まさか、みんなに慕われていた先生が殺人犯!?
それも疑惑は1つではありませんでした。まとめてみるとこんな感じです。
みんなに慕われていたはずの主人公の回りでは、不可解な事件が起こっていました。それぞれが事故だと思っていた事件です。

彼は白かそれとも黒なのか、気になる。
『神様の裏の顔』は二転三転する展開がすごかった
『神様の裏の顔』の面白いところは、内容が二転三転するところにあります。
三谷幸喜さんの舞台『12人の優しい日本人』を思わせるような物語でした (陪審員裁判のお話で被告が無罪になったり有罪になったりするやつ)。
状況証拠しかない中で話し合いは加速していきます。黒になったり白になったり・・・。その展開にひきこまれました。
途中までは先生がとても怪しく、展開が読めてきたと思っていたら見事にひっくり返される。
ビックリしました。でもそれだけでは終わらないんです。まだページがけっこう残ってると思っているとラストにまたひっくり返るんですよね。

この展開はすごいや。
絶妙なユーモアセンス

作者の藤崎さんは元芸人さん。ユーモアセンスを感じるところがあって面白かったです。
初めてお通夜に行った登場人物・寺島悠の勘違いに思わず笑っていました。「通夜ぶるまい」を「艶ブルマ」と聞き間違えてしまった彼、最高!

ミステリーとユーモアが絶妙なバランスの小説だった。
『神様の裏の顔』それぞれの顔にヒヤリ
『神様の裏の顔』は、人の持つ2面性を上手くミステリーに取り入れた作品でした。
表と裏。一つは神様のような面でもう一つは悪魔のような面・・・というふうに極端に違ったらちょっと怖いです。
まったく別人のように見えて同じ人物。ある意味この本は人の本質を描いているのかもしれません。

ヒヤリとしたけど、面白かったよ。


