- 貴志祐介さんの小説『新世界より』上巻のあらすじと感想
- 誰もがひきこまれる世界観
- 不思議な生物
- 消えていく生徒たち
- 過去の歴史
少しだけネタバレあります
ここは 汚れなき理想郷のはずだった
貴志祐介さんの小説『新世界より』上巻の感想です。『新世界より』は おすすめSF小説という括りで誰もが挙げる1冊。相当、面白いらしいぞ・・・と前から気になっていました。
『新世界より』簡単なあらすじ
読み始めたら止まらない!
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。いつわりの共同体が隠しているものとは―。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。
『新世界より』感想
世界観がすごい!!
ハマリました。私が読んだのは単行本の上下巻です。(文庫本は上中下巻の3冊) はじめこそ世界観を掴むのに戸惑いましたが、だんだんハマっていく自分がいて。ページをめくる手が止まりませんでした。
誰もがひきこまれる世界観

『新世界より』は 1000年後の日本を舞台としています。
神栖 (かみす) 66町で暮らす渡辺早季が過去に起こったことを回想しながら進んでいく物語でした。
科学より超能力が発達した世界。呪力という特殊な力を持った人々が登場します。サイコキネシスのような一種の超能力です。
そこで語り継がれる業魔と悪鬼とは何なのか。・・・とても謎に満ちた世界でした。
不思議な生物
不思議な生物たちがでてきます。
風船犬、フクロウシ、ミノシロ、カヤノスヅクリ、ネコダマシ (不浄猫)、バケネズミ・・・。
人が呪力を身につけたことで発生したものたちです。(上巻も下巻もバケネズミとの争いが描かれていてスリリングな展開でした)
気になったのはミノシロモドキです。
ミノシロを模した生物。別名、悪魔のミノシロ。国立国会図書館を名乗る自走型情報端末。
生物の形をした情報端末なんです。しかも国会図書館の。(早季たちは このミノシロモドキによってタブーとされていた歴史を知ることになります)
えっ!?と思いました。生き物なのに端末って面白い。このミノシロモドキ、ちょっと欲しいかも。かなりぶっ飛んだ世界が面白くてドキドキでした。
一見、理想郷のような世界。読み進めていくと何かがおかしい・・・ということに気づきます。そこにあるのは得体の知れない恐怖でした。
消えていく生徒たち

八丁標 (はっちょうじめ) で囲まれた神栖66町。八丁標とは しめ縄のことです。その内側は身を守るために結界が張られている。
何から身を守っているんだろうと 得体の知れない恐怖を抱きます。そして学校から生徒が消えていく・・・。
早季の友達の真理亜、瞬、覚、麗子、守。彼らは小学校・和貴園で一緒のグループでした。何かが狂っています。それが何なのか分からないから続きが気になるんです。
タブーとされた過去の歴史
いなくなった麗子以外の5人は、学校の行事で夏季キャンプへと向かいます。規則を破り立ち入ってはならない場所でタブーとされた過去の歴史を知ってしまうのです。
呪力を持ってしまった人間と持っていない人間との争いについて。その末に誕生した今の社会。伝説とされていた悪鬼と業魔について。
今の社会は、悪鬼と業魔を防ぐことだけを目的に作られている―
大人への不信感が芽生え何かがおかしいと感じ始めます。ここでも私は得体の知れない恐怖を感じました。
悲しい別れ、そして下巻へ・・・
上巻のラストは悲しかったです。
少し残酷で、でも面白くてすぐ下巻を読み始めました。本当にすごい物語です。レビューは下巻に続きます。
下巻のレビュー

アニメのレビュー
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