- 貴志祐介さん『新世界より』下巻 あらすじと感想文
- 操作された記憶
- 呪力は神の力か、悪魔の力か
- 業魔と悪鬼
- バケネズミの正体と衝撃の結末
- 『新世界より』アニメについて
ネタバレあります。
それは神の力か、それとも・・・。
貴志祐介さんの小説『新世界より』下巻の感想です。後半も一気読みでした。前回のレビューでも書いたけど、やはり「世界観」がすごい!!
『新世界より』下巻あらすじ・評価
明かされる黒歴史
悪鬼と業魔の伝説が 今、現実となって町にせまる。人類が手にした呪力。それは神の力か、それとも・・・。
『新世界より』ネタバレ感想文
『新世界より』下巻では、悪鬼が現れて人類を脅かす・・・。人間vsバケネズミの戦いでした。息つくヒマもなく一気読みです。
操作された記憶

上巻のラストは悲しい終わり方だったのですよね。
瞬が消えてしまう。彼は主人公の早季が好きだった男の子です。早季の記憶から瞬は消えていました。早季だけでなく周りの子も誰も覚えていない・・・。
そして彼女の仲間がまたひとり町から離れていく・・・。最後まで読むと、人類が手にしてしまった力について考えずにはいられませんでした。
呪力は神の力か、悪魔の力か
人類が手にした呪力。物を浮かせたり 空を飛んだり・・・。一種の超能力ですね。そのせいで途方もない犠牲が生まれてしまうのです。
能力を手にした人間と、手にしていない人間同士の争い。
最後に明らかになる事実には身がすくみます。呪力を持った人間が持っていない人たちにしたあること。呪力なんていらないと、思わず呟いてしまいました。
その力ゆえに脅威となるものが現れる。業魔と悪鬼です。
- 「業魔」・・・己の業(ごう)から“人間ではないもの”へと変化した存在。抑えきれない呪力が周囲の生き物などにまで影響を及ぼしてしまう。
- 「悪鬼」・・・同族である人間に危害を加える可能性のある存在。攻撃抑制と愧死機構がない。
下巻では悪鬼(・・・のようなもの)が現れます。人を次々と殺していく。その描写が恐ろしくてハラハラしっぱなしでした。
呪力は一見、神の力のようにも思えるのです。でも1000年後の世界でその力に脅かされながら生きていく光景を見ると・・・。
ツケが回ってきたのかもしれませんね。それでも呪力と共存していかなければならない人類に絶望と強さを感じました。
ここで描かれている「新世界」は ユートピアなんかじゃなかった。
バケネズミの逆襲

バケネズミと人間の戦い
『新世界より』は、過酷な戦争も目を引きます。
呪力を持った人間を恐れて従順だった種族が楯突く・・・。野狐丸が率いるバケネズミとの戦争は壮絶でした。
ハラハラの急展開で、怖いけど面白いんです。・・・バケネズミの言い分は、あながち間違いではないんですよね。
驚愕の結末|バケネズミの正体&異類と呼ぶ理由
消えていく子供たち。何かを隠している大人たち。操作された記憶・・・。最後は社会の仕組みが全てが明らかになります。
異類管理課。どうしてバケネズミを異類と呼ぶのかが明かされて絶句しました。
バケネズミは、元は呪力を持たない人間だったのです。
バケネズミの遺伝子の染色体は23対で、先祖とされているハダカデバネズミの染色体は30対。ベースになる生き物にハダカデバネズミの遺伝子を組み込んだのです。他に染色体が23対なのは人間か、オリーブの木くらい。・・・であるとすれは、ベースになる生き物は人間ということになります。
『新世界より』はアニメも良かった
『新世界より』はアニメ化もされていて、そちらも良かったです。全25話。
アニメの中で幾度となく流れるドヴォルザーク「新世界より」は、この世界観にピッタリですね。寂しさとほんの少しの安心感を感じました。
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