- 筒井康隆さんのSF小説『時をかける少女』あらすじと感想
- ラベンダーの恋
- テレポーテーションとタイムリープ
- 未来の社会
ネタバレあります。
甘く切ない恋の物語
筒井康隆さんのSF小説『時をかける少女』感想です。あまりに有名すぎるくらい有名ですが、そういえばまだ原作を読んでいなかった・・・。このお話、短編だったのですね。
『時をかける少女』あらすじ
思春期の少女が体験した不思議な世界
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
芳山和子は 誰もいない放課後の理科室で物音を聞いた。駆けつけると・・・。
『時をかける少女』感想
初めて『時をかける少女』に出会ったのは 内田有紀さん主演のドラマでした。
1994年のことなので 中学生か高校生くらいの時かな。今は細田守さんのアニメ版が有名になりましたね。私にはドラマの印象が色濃く残っています。
読み継がれるSF小説

今読んでも面白い
1967年の作品なので 今から約50年前ですか。そんなにたった今でもドラマ化されたりしているなんて凄いです。まったく色あせません。
筒井さんのSF。多くは読んでいないのですが、空想未来には驚きました。
未来からやってきた深町一夫が語る社会はとても興味深い。そして、主人公・和子の身に起こった出来事。過去へ飛んでしまう能力に憧れを抱きました。
最後まで読むと、なんとも言えない切なさが心に残ります。
ラベンダーの恋
突然のことばにドキっとします。
じゃあ、いってしまおう。きみが、好きになったからさ
読後は切なさで胸がいっぱいになりました。恋をしたのに別れなくてはいけない辛さ。しかも記憶も消されてしまうんですよね・・・。
彼の存在が消えているシーンは胸が痛む。
「ラベンダーの香り」が 重要なキーワードになっています。
和子の「時をかける」能力は 甘い懐かしい香りを嗅いだときから芽生えました。愛する人・深町がいた家の庭にもラベンダーが・・・。
テレポーテーションとタイムリープ

『時をかける少女』は テレポーテーションとタイムリープを扱っています。
テレポーテーション (身体移動) は何となく知っているけど、タイムリープ (時間飛躍) は初めて聞く言葉でした。
時間飛躍。肉体はそのままで記憶だけ入れ替わる現象のこと。
『時をかける少女』では 場所移動と時間跳躍がいっぺんに起こったのです。深町 (ケン・ソゴル) のいる未来では そんなことが可能なのか・・・。
未来の社会
未来から来たという少年、ケン・ソゴル。未来のお話に圧倒されました。良いなと思ったのは睡眠教育です。
彼が開発した薬もすごい。1度に時間と場所を移動する能力を身につけることができるんです。ラベンダーの香料が使われていて、和子はそれを吸ってタイムリープをしたわけです。
懐かしさを感じる物語
懐かしさを感じたのは私だけではないんじゃないかな。物語の舞台が中学校だから。理科教室や放課後。懐かしい言葉が並んでいます。
学生時代を思い出しました。学校は嫌いだったけど、今思うともう1度戻りたくなってしまいます。懐かしさを感じる1冊でした。



