『去就』あらすじ・ネタバレ感想文|隠蔽捜査6 大森署長、竜崎伸也|今野敏
- 『去就』あらすじと感想文
- 隠蔽捜査シリーズの魅力
- 警察官僚と父親としての決断
- 注目した人物・戸高善信
- ストーカー事件の裏に隠された真実
少しだけネタバレあります。
竜崎伸也、まさかの処分!?
今野敏さんの小説、隠蔽捜査6『去就』感想です。事件が佳境に入る時は胸が熱くなりました。
隠蔽捜査6『去就』は、2時間枠でドラマ化されています。おなじみ杉本哲太さん&古田新太さんのコンビ。
実は「隠蔽捜査1」は、連ドラになる前に2時間枠でドラマ化されているんですよね。その時の配役が陣内孝則さんと柳葉敏郎さんでした。
小説を読んでいると竜崎は陣内孝則さん、伊丹は柳葉敏郎さんを連想する。
隠蔽捜査シリーズ6『去就』あらすじ
竜崎伸也、またもや処分?
大森署管内で女性が姿を消した。その後、交際相手とみられる男が殺害される。容疑者はストーカーで猟銃所持の可能性が高く、対象女性を連れて逃走しているという。指揮を執る署長・竜崎伸也は的確な指示を出し、謎を解明してゆく。だが、ノンキャリアの弓削方面本部長が何かと横槍を入れてくる。やがて竜崎のある命令が警視庁内で問われる事態に・・・。
隠蔽捜査シリーズの魅力
シリーズの魅力はなんと言っても 大森署長・竜崎伸也のキャラにあります。
警察官僚、いわゆるキャリア組。たてまえを嫌い大真面目に本音を言う彼がカッコイイんですよね。
どこにいても国のために全力を尽くす。
サラリと大きなことを言っているけど、もちろん本音です。決して建前ではありません。
そんな竜崎に好感が持てるんだ。
1冊目『隠蔽捜査』で警察庁長官官房総務課長だった彼は、息子の不祥事により左遷され大森署長になりました。
何事も合理的に進めようとする主人公は周りから「変人」と言われる人物。それでも竜崎の仕事に対しての姿勢は揺るぎません。
シリーズ6ともなると、竜崎の良さを周りも分かってくれていて仲間意識を感じます。
やっぱり良いなぁ、このキャラ。今回も全くブレていなかった。
同期で幼馴染みの刑事部長・伊丹俊太郎とのやり取りも面白く、気づくと時間を忘れて一気読みでした。
『去就』ネタバレ感想文|隠蔽捜査シリーズ6
私の大好きな隠蔽捜査シリーズ。今回も竜崎伸也のキャラが際立っていました。
『去就』では、大森署管轄内でストーカー事件が起こります。
今野敏さんの警察モノって、事件が大詰めを迎えるときにいつも胸が熱くなるんですよね。臨場感を一緒に味わえるのが面白い。
ドキドキだったよ。
警察官僚と父親としての決断
署長としての竜崎、父親としての竜崎。彼がどのように行動して決断をするのか注目。
ストーカーから始まり、それが殺人、誘拐へと発展していく。時を同じくして娘の美紀にもストーカーの影が・・・。
警察官僚で1人の父親として娘のために取った彼の行動が素晴らしかったです。竜崎ならではの思いやりに心が温まりました。
注目した人物・戸高善信
戸高善信が大活躍します。シリーズ6で今さらだけど、良い味だしてるキャラですね。
「ストーカー対策チーム」に戸高が加わり、newキャラ・根岸紅美とともに事件解決へ。
竜崎は根岸のサポートを彼に頼むのだけど、面倒くさがると思っていたのにそうでもないらしい。勤務態度も悪く、決して褒められるタイプには見えない戸高は、実は相棒想いのキャラでした。
刑事としてのカンも鋭く意外と人望もある。
竜崎が大森署長として赴任してきた頃は衝突していたけど、次第に竜崎に好感を持つのが面白い。竜崎も戸高のことを高く評価していました。
2人の信頼関係は読んでいて気持ちが良かったよ。
ストーカー事件の裏に隠された真実
ストーカー事件の裏には隠された真実がありました。戸高&根岸ペア大活躍。
ただのストーカー事件では終わらないんです。「なんかしっくりこない」謎が描かれていました。
ウラがあるなと勘ぐりたくなるね。
正直、ちょっと物足りない展開ではありました。隠蔽捜査シリーズの、ある事件に似た感じに仕上がっているからかな。
竜崎伸也、またもや処分!?
竜崎伸也、またもや処分!?
・・・って帯に書いてあるんです。気になるじゃないですか。イヤ、読む前から1番気になっていたのはそこです。
ほんとうに彼は処分されてしまうのか?
あることで方面本部長の弓削と衝突する竜崎。このシリーズで衝突はお馴染み、もはや醍醐味です。特別監察を受けることに・・・。
まさか、また左遷!?
読み終わってから早くも続きが読みたくなる展開でした。これは今から次作が楽しみです。