- 『棲月』あらすじと感想文
- 大森署最後の事件
- 上司に公務執行妨害罪適用
- ネットのカリスマ・ルナリアン
少しだけネタバレあります
竜崎伸也、大森署最後の事件!?
隠蔽捜査シリーズ7『棲月』感想です。今野敏さんの警察小説は いつも一気読み。時間をかけながら楽しみたいと思うのだけど、止まらなくなるんですよね。
もくじ
隠蔽捜査シリーズ7『棲月』評価&あらすじ
竜崎伸也、大森署最後の事件!?
私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。不審に思った竜崎はいち早く署員を向かわせるが、警視庁生安部長から横槍が入る。さらに、管内で殺人事件が発生。だが、伊丹から異動の噂があると聞かされた竜崎はこれまでになく動揺していた―。
『棲月』ネタバレ感想文|隠蔽捜査シリーズ7
読まずにはいられない隠蔽捜査シリーズ。
面白くて読み始めると止まらなくなるんですよね。一気読みでした。
前作『去就』のレビューでも書いたけど、竜崎→陣内さん、伊丹→柳葉さんを連想しました。(2時間枠ドラマの影響)いつも彼らのイメージで読んでいます。伊丹と竜崎の絡みが微笑ましい。
大森署最後の事件!?

竜崎伸也、大森署最後の事件!?
帯に書いてある通り、大森署での最後の事件となります。・・・確か『去就』では、竜崎の異動を匂わせながら終わったんですよね。
いつもうろたえない竜崎だけど、今回は動揺している様子が描かれていて新鮮でした。大森署を離れたくないと戸惑う。
大森署には素敵な人たちがいますからね。戸高や根岸など・・・。彼らが登場しなくなる(?)と思うと寂しくなります。
大森署での最後の事件は、サイバー犯罪と殺人事件でした。どこに異動になるのかは読んでのお楽しみということで。
上司に公務執行妨害罪適用!?
今回はサイバー犯罪と殺人事件です。
鉄道と銀行でシステム障害、そして殺人事件が・・・。システムがダウンするのは、今どきの犯罪って感じですね。
大森署の管轄じゃないのに捜査員を派遣する竜崎。さすがです。それで一波乱・・・。
弓削方面本部長の指示で来た野間崎管理官に、言い放ったひとことが可笑しくてクスッと笑ってしまいました。
「では、帰って伝えてくれ。捜査を妨害すると、公務執行妨害罪を適用すると」
竜崎ナイス!上司 (本部長) だろうが何だろうがお構いなしの彼がホントに面白い。
ネットのカリスマ”ルナリアン”

サイバー犯罪と殺人事件。2つの事件は繋がるんだろうなとワクワクしながら読んでいました。
少年が関わっているから根岸さんの登場です。前作『去就』でペアを組んだ根岸&戸高。今回も大活躍でした。犯人はルナリアンなる人物のようです。
一瞬、ホーガンの『星を継ぐもの』を連想。本作とは何も関係ないけど、ルナリアン繋がりで。

『棲月』で描かれているのは、ネットのカリスマ的な存在(ハッカー)。
少年たちから恐れられていました。ネットの世界って特殊ですよね。思いもよらず炎上したり、噂が一人歩きしたり・・・。
ルナリアンなる人物は存在するのか?
Web上での人物だから、存在するのか定かではありません。竜崎はルナリアンの正体を突き止めようとするのだけど・・・。
感動のラスト|主人公の成長を感じた『棲月』
竜崎が大森署を立ち去るシーンはジーンとしました。
ラストに感動です。良い仲間に慕われて支えられていたのですね。
初回から読み続けている隠蔽捜査シリーズ。降格人事で所轄の署長になったけど、本作『棲月』は、主人公の成長を感じる1冊でした。
今回もNEWキャラ(?)サイバー犯罪対策課に駆り出された田鶴さんが良い味だしていました。また登場するかな?


