長編小説シリーズもの
長編ミステリー&警察小説の中から、ハマる!シリーズものをご紹介します。実際に読んで面白かったシリーズをピックアップしました。
内容も面白いことながら、キャラに味がある小説ばかりです。
記念すべきシリーズ一作目と読む順番、シリーズの魅力をまじえながら紹介しています。
【骨太警察小説】刑事が主人公のシリーズ

まずは刑事が主人公のシリーズ、骨太警察小説をご紹介。みんな有能な刑事で、事件捜査の過程も楽しめる本です。
『隠蔽捜査』隠蔽捜査シリーズ|今野敏
変人!?警察庁キャリア官僚
竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。その朴念仁ぶりに、周囲は“変人”という称号を与えた。だが彼はこう考えていた。エリートは、国家を守るため、身を捧げるべきだ。私はそれに従って生きているにすぎない、と。組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎は真正面から対決してゆく。
警察庁キャリア官僚の活躍が描かれた隠蔽捜査シリーズ。今野敏さんの作品の中でも、群れを抜いて面白い作品です。本音と建前を使い分けない、いつも本音の竜崎伸也が良いキャラなんですよね。ちょっと異色な、でも本格的な警察小説です。
ドラマ化されました。2時間枠で陣内孝則さん&柳葉敏郎さんのコンビ、連ドラで杉本哲太さん&古田新太さんのコンビ。どちらも良かったです。
- 『隠蔽捜査』
- 『果断 隠蔽捜査2』
- 『疑心 隠蔽捜査3』
- 『転迷 隠蔽捜査4』
- 『宰領 隠蔽捜査5』
- 『去就 隠蔽捜査6』
- 『棲月 隠蔽捜査7』
- 『清明 隠蔽捜査8』
他にスピンオフ短編集もあり。


『笑う警官』道警シリーズ|佐々木譲
北海道警察小説
札幌市内のアパートで、女性の変死体が発見された。遺体の女性は北海道警察本部生活安全部の水村朝美巡査と判明。容疑者となった交際相手は、津久井巡査部長だった。やがて津久井に対する射殺命令がでてしまう。捜査から外された所轄署の佐伯警部補は、津久井の潔白を証明するために極秘裡に捜査を始めたのだったが…。
佐々木譲さんの道警シリーズは、札幌市を舞台にした警察小説です。津久井刑事もステキながら、佐伯刑事がめちゃめちゃカッコイイ。一作目『笑う警官』では、極秘裡に捜査する展開が面白かったです。鋭い推理&捜査がくり広げられて止まらなくなりました。
道警シリーズもドラマ・映画化されているけど、原作とかけ離れた作品になっているのでおすすめしません。小説は面白いので読みましょう。
- 『笑う警官』
- 『警察庁から来た男』
- 『警官の紋章』
- 『巡査の休日』
- 『密売人』
- 『人質』
- 『憂いなき街』
- 『真夏の雷管』

『切り裂きジャックの告白』刑事・犬養隼人|中山七里
刑事・犬養隼人シリーズ
臓器をくり抜かれた若い女性の遺体が発見される。その直後「切り裂きジャック」と名乗る犯人からの声明文がテレビ局に届く。果たして「ジャック」の狙いは何か? 警視庁捜査一課の犬養隼人が捜査に乗り出すが……。
中山七里さんの刑事・犬養隼人シリーズの魅力は、「命」をテーマとして扱っているところです。臓器移植や安楽死など、簡単に答えが出ないものばかりだけど深いんですよね。犬養刑事のキャラも際立っていて読み応えがあります。
沢村一樹さん主演でドラマ化されました。映像も違和感なく面白かったです。
- 『切り裂きジャックの告白』
- 『七色の毒』(短編集)
- 『ハーメルンの誘拐魔』
- 『ドクター・デスの遺産』
- 『カインの傲慢』
- 『ラスプーチンの庭』


『卒業』刑事・加賀恭一郎|東野圭吾
刑事・加賀恭一郎シリーズ
7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か? 心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?
「加賀恭一郎シリーズとガリレオシリーズ、どちらが好きか?」と話題になるくらいお馴染みの刑事シリーズ。ドラマ化されていなければ私は加賀さん押しなんだけど、福山雅治さんのガリレオも素敵ですよね。
シリーズを重ねるにつれて加賀さんの過去が明かされていくのも面白い。鋭く頼りになる加賀刑事のキャラが魅力のシリーズです。
阿部寛さん主演でドラマ化されました。私の中では加賀さんのイメージは阿部寛さんじゃなかったので、少しだけ違和感・・・。でも面白かったです。
- 『卒業』
- 『眠りの森』
- 『どちらかが彼女を殺した』
- 『悪意』
- 『私が彼を殺した』
- 『嘘をもうひとつだけ』(短編集)
- 『赤い指』
- 『新参者』
- 『麒麟の翼』
- 『祈りの幕が下りる時』

【異色警察小説】刑事×〇〇!?

続きまして、警察小説の中でも異色な組み合わせキャラが登場する本です。面白くてハマったものをピックアップしました。
『マスカレード・ホテル』マスカレードシリーズ|東野圭吾
刑事×ホテルマン
都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?
東野圭吾さんのマスカレードシリーズは、刑事の相棒がホテルマン!? ・・・という異色の警察小説。警察小説というよりはホテルのお仕事小説に近い感じでした。
一流ホテル・コルテシア東京には、さまざまな(怪しげな)客が訪れます。みんな怪しくて、一緒に推理を働かせながら楽しめました。
映画では、木村拓哉さんと長澤まさみさんのコンビが絶妙でした。良い配役です。
- 『マスカレード・ホテル』
- 『マスカレード・イブ』
- 『マスカレード・ナイト』

『連続殺人鬼カエル男』カエル男シリーズ|中山七里
刑事VSカエル男
マンションで女性の死体が発見された。傍らには 「カエル男」 からの犯行声明文・・・。次々と事件が発生し街中はパニックになるも、警察の捜査はいっこうに進まなかった。「カエル男」 の目的とは? 警察は犯人をつかまえることができるのか?
中山七里さんのカエル男シリーズは「グロい」「怖い」「目を背けたくなる」の三拍子揃いのミステリー小説。可愛いカエルの表紙なんだけど・・・。でも面白いんですよね。
刑事VSカエル男。
渡瀬刑事がステキです。そして相棒の古手川刑事は不死身すぎて度肝を抜かれました。
どんでん返しの帝王・中山七里さんの小説です。ラストまで気が抜けません。
- 『連続殺人鬼カエル男』
- 『連続殺人鬼カエル男ふたたび』


『犯罪者 上下』トリオシリーズ|太田愛
はみ出し刑事・相馬×鑓水×修司
白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人・鑓水と3人で事件の真相を追う。
太田愛さんのトリオシリーズは、刑事・相馬、相馬の友人・鑓水、建設業で働く修司の3人が大活躍する小説。キャラも際立つトリオシリーズだけど、最大の魅力は一冊ごとに胸に刺さる深いテーマにあります。
『犯罪者』では、「裁かれない悪」について ふくざつ、ふくざつ、あぁーっと叫びたくなるくらいモヤモヤしました(←めちゃめちゃ面白かったです)
- 『犯罪者 上下』
- 『幻夏』
- 『天上の葦 上下』



【ミステリー小説】キャラ最強シリーズ

最後は、ミステリー小説の中でも登場人物が際立っている「キャラ最強シリーズ」です。一冊よんだらハマること間違いなしの面白さ。
『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』悪辣弁護士・御子柴礼司シリーズ|中山七里
悪辣弁護士・御子柴礼司
弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。警察は 御子柴に辿りつき事情を聴く。だが 彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。
悪辣弁護士・御子柴礼司シリーズは、中山七里さんの小説の中でも一番好きなシリーズ。魅力は、なんと言っても御子柴礼司、その人です。
幼少期に猟奇殺人を起こし、少年院に送致された後に名前を変えて弁護士になった人物。異色の弁護士シリーズです。
キャラ最強だけど、このシリーズの魅力はもう一つあります。それは「贖罪」について書かれていること。・・・主人公が主人公だけに、深いんですよね。
弁護士小説だから、もちろん裁判シーンあり。最後までドキドキで面白いです。
- 『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』
- 『追憶の夜想曲(ノクターン)』
- 『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』
- 『悪徳の輪舞曲(ロンド)』
- 『復讐の協奏曲(コンチェルト)』


『MAZE』神原恵弥シリーズ|恩田陸
神原恵弥シリーズ
アジアの西の果て、白い荒野に立つ矩形の建物。いったん中に入ると、戻ってこない人間が数多くいると伝えられている。その「人間消失のルール」とは?謎を解き明かすためにやってきた4人の男たちは、果たして真相を掴むことができるのか?
恩田陸さんの小説の中でもかなり好きな神原恵弥シリーズ。一作目『MAZE』からハマりました。謎を解き明かすためにやってきた4人の男たちの中に彼、神原恵弥がいます。
バイセクシャルのメグミ。女言葉を話す彼は男です。頭が良く、しなやかで鋭い彼が魅力あふれるキャラ。一度読むと、その強烈なキャラが大好きになります。
このシリーズは恵弥の魅力を楽しむ小説・・・と言っても過言ではないくらい彼が際立っていました。
- 『MAZE』
- 『クレオパトラの夢』
- 『ブラック・ベルベット』

『探偵ガリレオ』天才物理学者・ガリレオシリーズ|東野圭吾
ガリレオシリーズ
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。常識を超えた謎に天才科学者が挑む、連作ミステリーのシリーズ第一作。
ドラマや映画でお馴染みガリレオは、天才物理学者・湯川学が主人公のシリーズ。福山雅治さんがはまり役ですね。変人(?)だけどカッコよくて好感が持てました。
小説でも個性的で魅力あふれる湯川のキャラと、不可解な事件を科学・物理によって解決していくのが面白いシリーズです。
東野圭吾さんの小説はミステリーだけにとどまらず、理系テーマが描かれているのが魅力でもあります。
- 『探偵ガリレオ』(短編集)
- 『予知夢』(短編集)
- 『容疑者Xの献身』
- 『ガリレオの苦悩』(短編集)
- 『聖女の救済』
- 『真夏の方程式』
- 『虚像の道化師』
- 『禁断の魔術』
- 『沈黙のパレード』
- 『透明な螺旋』


【長編小説シリーズもの】ミステリー&警察小説まとめ
ミステリー&警察小説より、長編シリーズものを紹介しました。どれも読みやすいのでオススメです。
- 『隠蔽捜査』隠蔽捜査シリーズ
- 『笑う警官』道警シリーズ
- 『切り裂きジャックの告白』犬養隼人シリーズ
- 『卒業』加賀恭一郎シリーズ
- 『マスカレード・ホテル』マスカレードシリーズ
- 『連続殺人鬼カエル男』カエル男シリーズ
- 『犯罪者』トリオシリーズ
- 『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』御子柴礼司シリーズ
- 『MAZE』神原恵弥シリーズ
- 『探偵ガリレオ』ガリレオシリーズ
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