- 東野圭吾さん『沈黙のパレード』あらすじと感想文
- ガリレオシリーズの魅力
- 怒りの復讐劇
- 容疑者について
- 沈黙する人々
少しだけネタバレあります。
ガリレオ、ふたたび!!
東野圭吾さんの小説『沈黙のパレード』ネタバレ感想文です。ガリレオシリーズ9作目。楽しみにしていて発売日の翌日に買いに行きました。
レビューの最後にガリレオシリーズの魅力もまとめています。
もくじ
『沈黙のパレード』あらすじ・評価
ガリレオ、再始動!!
行方不明になった少女が 数年後に遺体で発見された。容疑者は かつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男だった・・・。
『沈黙のパレード』ネタバレ感想文

ドラマのイメージが強いガリレオ。湯川学→福山雅治さん、内海薫→柴咲コウさんを連想できるような内容でした。
鋭い推理をする湯川を通して、東野圭吾さんの手腕に改めてすごさを感じました。・・・さすがですね。
怒りの復讐劇
ガリレオ9作目で描かれていたのは、怒りの復讐劇です。
3年前に失踪した並木佐織が遺体で発見されました。菊野商店街にある食堂『なみきや』を営む並木夫妻の娘です。容疑者は割と早くに特定されるんですよね。
蓮沼寛一、かつて草薙刑事が担当した少女殺害事件で無罪となった男でした。
少女殺害事件で逮捕された蓮沼ですが、一切、自供をせず黙秘を貫き通して無罪。そして今回は、証拠不十分で釈放・・・。
法が裁けないなら、自分たちで・・・。
そう考える気持ちが理解出来る。蓮沼は何者かに殺されてしまいます。
容疑者は彼女を愛した普通の人々!?

蓮沼が死んでから一気に面白くなります。今回はあっさり事件の捜査に参加した湯川。ガリレオ、本領発揮です。
1番あやしい並木夫妻には完璧なアリバイがありました。佐織を可愛がっていた街の人たちや、彼女の恋人・高垣智也にも・・・。
東野圭吾さんも意識しているのかな。
沈黙する人々
パレードで復讐劇。タイトルを思わせるような 沈黙する人々が描かれています。
黙秘を貫き少女殺害事件で無罪、佐織の事件では証拠不十分で釈放・・・。
蓮沼が犯人だったなら、彼を裁けない法律とは何なのかと哀しくなりました。物語上のことなので、実際はどうなのかわからないけど。
蓮沼の復讐劇でも同じように沈黙する人たちが描かれています。並木の友人・戸田、佐織の恋人・高垣・・・。
沈黙を貫きとおしてもガリレオの手にかかれば真実は暴かれるのに・・・。彼らの立場になって推理をめぐらす湯川や内海の着眼点に舌を巻きました。
『沈黙のパレード』どんでん返し&清々しい結末
『沈黙のパレード』ラストが好きです。福山雅治さんを、ここでも想像できるような清々しさがありました。
真実は思いもよらぬものでビックリ。最後にどんでん返しが待っていました。
哀しい展開だったけど、湯川と夏美とのやりとりでそこまで後をひくことなく読後の余韻が良かったです。
ガリレオシリーズの魅力
『禁断の魔術』(文庫版) を読んだとき、ガリレオシリーズ終わるのかと思っていました。・・・なので『沈黙のパレード』がとても嬉しかったです。
ガリレオシリーズの魅力をまとめました。
ガリレオの一風変わったキャラ
ガリレオ(天才物理学者・湯川学)のキャラが最高。
人間味あふれていて吸い寄せられるような魅力があります。福山雅治さんが演じてから、人気はさらに高まりましたね。
科学で解明していく推理力
東野さんの小説は、科学を取り入れてるのが面白い。
怪奇現象!?・・・と思うことでも科学で証明できてしまうんですよね。
物理学者の視点で仮説(推理)をたてて、実験(検証)をして真相にたどり着く。鋭い推理力にワクワクします。
3人のやりとり
湯川、草薙、内海の3人のやりとりが心地よい。
シリーズを重ねていくと、それぞれのキャラに深みが増してくるんです。真剣に事件の推理を話してるシーンでも顔がゆるみました。



