- 東野圭吾さんの小説『沈黙のパレード』あらすじと感想
- ガリレオシリーズの魅力
- 怒りの復讐劇
- 容疑者について
- 沈黙する人々
少しだけネタバレあります。
ガリレオ、ふたたび!!
東野圭吾さんの小説『沈黙のパレード』感想です。ガリレオシリーズ9作目。楽しみにしていて発売日の翌日、買いに行きました。
もくじ
『沈黙のパレード』あらすじ
ガリレオ、再始動!!
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
行方不明になった少女が 数年後に遺体で発見された。容疑者は かつて草薙が担当した少女殺害事件で無罪となった男だった・・・。
ガリレオシリーズの魅力
『禁断の魔術』(文庫版) を読んだとき、ガリレオシリーズ終わるのかと思っていました。・・・なので『沈黙のパレード』がとても嬉しかったです。
ガリレオシリーズの魅力をまとめました。
ガリレオの一風変わったキャラ
人間味あふれていて 吸い寄せられるような魅力があります。ガリレオ (天才物理学者・湯川学) のキャラが最高。
福山雅治さんが演じてから人気はさらに高まりましたね。
科学で解明していく推理力
東野さんの小説は 科学を取り入れてるのが面白いです。怪奇現象!? と思うことでも科学で証明できてしまう。
物理学者の視点で仮説 (推理) をたてて、実験 (検証) をして真相にたどり着く。毎回鋭い推理力にワクワクします。
3人のやりとり
シリーズを重ねていくと、それぞれのキャラに深みが増します。湯川、草薙、内海の3人のやりとりが心地よい。真剣に事件の推理を話してるシーンでも 顔が緩んでしまいました。
『沈黙のパレード』感想

ドラマのイメージが強いガリレオ。湯川学 → 福山雅治さん、内海薫 → 柴咲コウさんを連想できるような内容でした。
最後はどんでん返しあり。鋭い推理をする湯川を通して、東野圭吾さんの手腕に改めて凄さを感じました。・・・さすがですね。
怒りの復讐劇
ガリレオ9作目で描かれていたのは 怒りの復讐劇でした。
3年前に失踪した並木佐織が遺体で発見。菊野商店街にある食堂『なみきや』を営む並木夫妻の娘です。容疑者は割と早くに特定されました。
蓮沼寛一、かつて草薙刑事が担当した少女殺害事件で無罪となった男でした・・・。
少女殺害事件で逮捕された蓮沼ですが、一切、自供をせず黙秘を貫き通して無罪になりました。そして今回は、証拠不十分で釈放・・・。
法が裁けないなら、自分たちで・・・。
そう考える気持ちが理解出来る。蓮沼は何者かに殺されてしまいます。
容疑者は彼女を愛した普通の人々!?

ガリレオ本領発揮!!
蓮沼が死んでから一気に面白くなります。今回はあっさり事件の捜査に参加した湯川でした。
1番あやしい並木夫妻には完璧なアリバイがありました。佐織を可愛がっていた街の人たちや、彼女の恋人・高垣智也にも・・・。
福山雅治さんを連想しながら読んでいました。東野圭吾さんも意識しているのかな。
沈黙する人々
パレードで復讐劇。タイトルを思わせるような 沈黙する人々が描かれています。
黙秘を貫き少女殺害事件で無罪、佐織の事件では証拠不十分で釈放・・・。
蓮沼が犯人だったなら、彼を裁けない法律とは何なのかと哀しくなりました。物語上のことなので、実際はどうなのかわかりませんが。
蓮沼の復讐劇でも同じように沈黙する人たちが描かれていました。並木の友人・戸田、佐織の恋人・高垣・・・。
余計なことを喋ればボロがでるという心理はわかりますが、沈黙を貫きとおしてもガリレオの手にかかれば真実は暴かれる。
「口は災いのもと」、「沈黙は金なり」 と、普段から余計なことは言わないように心がけています。でも罪を犯したなら 真実を自分の口から語ることが償いの第一歩です。
どんでん返しと清々しい結末
このラストは好きです。
福山雅治さんを、ここでも想像できるような清々しさがありました。真実は思いもよらぬものでビックリです。
最後にはどんでん返しが待っていました。哀しい展開でしたが、湯川と夏美とのやりとりでそこまで後をひくことなく、読後の余韻が良かったです。
エルキュール・ポアロ。・・・ほんとうに、ピッタリです。
こちらもオススメ



