- 原田マハさんの小説『本日はお日柄もよく』あらすじと感想
- ホロリとくるスピーチ
- 言葉が持つ力
- Yes,We Can
- 白熱の選挙戦
少しだけネタバレあります
わたしの言葉が日本を変える!?
原田マハさんの小説『本日はお日柄もよく』感想です。ホロリときました。「本日はお日柄もよく」という言葉は、結婚式のスピーチを連想しますね。
WOWOWドラマ原作小説。
『本日はお日柄もよく』あらすじ
目頭が熱くなるお仕事小説!!
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
幼なじみ厚志の結婚式で 衝撃的なスピーチに出会った二ノ宮こと葉。すぐにスピーチライターの久遠久美に弟子入りするが・・・。
『本日は、お日柄もよく』感想
原田マハさんの言葉はジーンときます。心に響いた言葉があると付せんを貼っていくのですが、気づけば付せんだらけになってしまいました。
・・・正直に言うと深くハマれなかったんです。特に後半のストーリーは読むのに苦戦しました。ほぼ選挙戦になったから (原田さんの本は美術ものの方が好きです)。
そんな私でもフセンをたくさん貼って、なおかつホロリとしたのですから、原田さんが描く言葉はすごい。
ホロリとくるスピーチ

物語は結婚式のスピーチから始まります。
主人公・二ノ宮こと葉の幼なじみ、今川厚志の結婚式場です。下手なスピーチに耐えられなくなったこと葉は、眠気におそわれてスープ皿に顔を突っ込んでしまいます。
思わず笑ってしまいました。でも気持ちはわかるかも。面白くないスピーチって眠くなるんですよね。
式場で彼女は運命的な出会いをします。久遠久美というスピーチライターの女性と・・・。こと葉はスピーチに感動して、後に弟子入りすることになります。
この本の良いところは心に響く数々の「ことば」にあります。
久美さんのスピーチもそうですが、こと葉の友達に向けたものや、選挙戦で小山田党首が述べたスピーチ、今川厚志の演説など。そこにはたくさんのグッとくる「ことば」が描かれているんです。
ジーンとした友達の結婚式のスピーチ。
親友に対する思いやりと愛が感じられました。そして漠然としか知らなかったスピーチライターという職業について。簡単に主人公が上達していく姿は疑問を感じましたが、極意なども書かれていて興味深かったです。
言葉が持つ力

『本日は、お日柄もよく』はドラマ化されました。心にしみる文章が人の言葉として音になるというのは良いですね。
原田さんの描くことばから勇気をもらえました。ことばが持つ力はすごい。
悲しいことがあってどん底に落ちたとしても 時間がたつと涙は止まり、いずれは前に歩き出している。
立ち直るまでの時間は人それぞれだけど 前向きになれる気がしました。
Yes,We Can
後半は ほとんど選挙のお話でした。
スピーチで国民の気持ちをつかみ取り勝ち抜いた人物と言えば、アメリカのオバマ大統領がいますね。バラク・オバマ氏の演説にも触れています。
「Yes,We Can」は有名なフレーズになりました。
政治家とスピーチライターをはじめ、たくさんの人たちで選挙を乗り切る様子は、本書でもガッツリ描かれています。
厚志&こと葉ペアのライバル、和田日間足 (ワダカマ)。やり手のスピーチライターです。彼の登場により、ますます選挙戦は加熱していきました。
白熱の選挙戦
民衆党、小山田党首&出馬した厚志が目指すもの。政権交代です。
「いますぐに、まっすぐに」
かつての政治家である厚志の父の想いがつまった言葉を軸にして、白熱の選挙戦が繰り広げられます。
政治が苦手な私にもわかりやすく描かれていました。ただ そんなに順調にスラスラいくと違和感を覚えてしまう事と、苦手意識もあり読むのに苦戦してしまいました。
『本日はお日柄もよく』心温まる結末
選挙のゆくえも気になりますが、結末は心が温まりました。「本日はお日柄もよく」に始まり、それで終わる。
最後も素敵な文章にホロリときてしまいました。
こちらもオススメ



他にもあります