『デトロイト美術館の奇跡』あらすじ・ネタバレ感想文|マダム・セザンヌへの想い|原田マハ|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

『デトロイト美術館の奇跡』あらすじ・ネタバレ感想文|マダム・セザンヌへの想い|原田マハ

ひだまりさん。
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この記事に書かれていること
  • 『デトロイト美術館の奇跡』あらすじと感想文
  • 「デトロイト美術館」 感動秘話
  • ポール・セザンヌ「マダム・セザンヌ」
  • アートは友だち
  • 絵画への想い

少しだけネタバレあります。

「マダム・セザンヌ」への想い

原田マハさん『デトロイト美術館の奇跡』感想です。感動秘話が描かれたアート小説。

実話を元にしたストーリーで、ほっこりと心が温まりました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

感動して泣いたよ。

『デトロイト美術館の奇跡』あらすじ&目次

デトロイト美術館 売却!?

あらすじ

ゴッホ、セザンヌ、マティス。綺羅星のようなコレクションを誇る美術館が、市の財政難から存続の危機にさらされる。市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきか?全米を巻き込んだ論争は、ある男の切なる思いによって変わっていく―。アメリカの美術館で本当に起こった感動の物語。

本の目次
  • 第1章 フレッド・ウィル《妻の思い出》2013年
  • 第2章 ロバート・タナヒル《マダム・セザンヌ》1969年
  • 第3章 ジェフリー・マクノイド《予期せぬ訪問者》2013年
  • 第4章 デトロイト美術館《奇跡》2013 ― 2015年

『デトロイト美術館の奇跡』ネタバレ感想文

『デトロイト美術館の奇跡』は実話を元に描かれているストーリー。

100ページちょっとと物足りなさを感じたけど、興味深く読みました。

ひつじ。
ひつじ。

原田さんのアート小説は心に響くものがあるんだ。

デトロイト美術館、売却!?

アメリカのミシガン州デトロイトにある美術館 (Detroit Institute of Arts、通称DIA)。

2013年夏にデトロイト市が財政破綻し、その穴埋めのためにデトロイト美術館にあるコレクションを売却するという話が持ち上がりました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

売却!?確かに美術品は高額だからね・・・。

美術館に親しんできた市民や国内外の人たちの協力のもと、デトロイト美術館のコレクションは守られるんです。

1枚も売却せずにすんだという感動秘話。

それを元に描かれたのが『デトロイト美術館の奇跡』です。原田さんの小説を読んで初めて知りました。

ポール・セザンヌ「マダム・セザンヌ」

今まで読んだ原田さんのアート小説は3冊です。どれも有名な絵画をめぐるお話でした。

『楽園のカンヴァス』ではアンリ・ルソーの「夢」を、『暗幕のゲルニカ』ではパブロ・ピカソの「ゲルニカ」を、そして本作に出てくる絵画。

ポール・セザンヌの「マダム・セザンヌ」。

油彩画「マダム・セザンヌ」は、セザンヌが自分の妻 (オルタンス) を描いたものです。

彼は生前、何枚も妻を描いたようですね。その中の1枚、青い服を着たセザンヌ夫人の肖像画。本の表紙にもなっていました。

マダム・セザンヌ
ひつじ。
ひつじ。

原田さんの文章を読んでいると、何回も絵を眺めたくなる。

絵を見る限り、特別キレイでもないし笑顔がステキってわけでもない。むしろムッツリしているように見えます。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

でも気になって目が離せない。・・・不思議な絵だね。

本を読む前はこの絵の良さがよく分かりませんでした。原田さんの言葉を読んだ時に、ジッと絵を見つめると、私も見つめられたいと思ってしまうから不思議。

アートは友だち

第1章フレッド・ウィル 《妻の思い出》2013年に感動しました。

フレッドの妻・ジェシカとの思い出のデトロイト美術館(DIA)。ジェシカは1人で美術館に通っていたけど、フレッドが仕事を解雇されたときから2人で美術館に行くのが日課になりました。

亡くなったジェシカが言った言葉が素敵なんです。

アートはあたしの友だち。だからDIAは、あたしの「友だちの家」なの

デトロイト美術館が、こんなにも市民に愛されていた理由がこの言葉から伺えますよね。

ひつじ。
ひつじ。

素敵なアートに会いに行く。市民もこんな気持ちだったんじゃないかな。

フレッドが特に気に入った絵は「マダム・セザンヌ」でした。その絵はどこか妻に似ているから・・・。

やがてジェシカの病気が進行します。最後に絵の前で交わした約束にジーンとしました。

絵画への想い

アートを友だちと言ったジェシカとの思い出を胸に、フレッドはその想いをDIAのキュレーターのジェフリー・マクノイドに伝えます。

これは原田さんの創作なのかな。デトロイト美術館のアートを守ろうとした市民たちは、こんな思いでいたのかもしれませんよね。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

叶って良かった。

『デトロイト美術館の奇跡』には濃縮された想いがつまっていました。素敵な本です。

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