『天使の囀り』あらすじ・感想文|恐怖と快楽のはざま|貴志祐介
- 『天使の囀り』あらすじと感想文
- 別人になった恋人
- 怖さとグロさを超えた面白さ
- 恐怖が快楽に変わる瞬間
- 早苗は感染したのか否か
少しだけネタバレあります。
アマゾンで何があったのか―。
貴志祐介さんの小説『天使の囀り』感想です。すっかり貴志さんにハマりました。この本、貴志祐介オススメによく紹介されているんですよね。
アマゾンで何があったのか?
怖くて、じゃっかんグロかったけど面白くて止まらなくなりました。
怖さとグロさを超えた面白さがあるよ。
『天使の囀り』あらすじ
とてつもない恐怖
ホスピスで働く北島早苗の恋人・高梨は アマゾン調査隊に参加してのち人格が変わってしまう。さらに他のメンバーも異常な方法で自殺を遂げていた。いったいアマゾンで何があったのか―。
『天使の囀り』ネタバレ感想文
『天使の囀り』は、好き嫌いがわかれそうですね。虫がダメな人はアウトかな。読む前に書評を読んでみて「怖い」、「グロい」などの言葉が目立ちました。
確かにグロいけど面白いんだよね。とまらなくなった。
別人になった恋人
主人公・北島早苗は終末期医療のホスピスで働く精神科医。「人の死」がいつも身近にある、彼女ならではの目線で語られていて新鮮でした。
アマゾンの調査隊だった恋人の高梨が日本に戻ってきたけど、まるで別人・・・。
「死恐怖症」(タナトフォビア)のはずの彼が「死」に恐怖を感じていない!?
恐怖だったものが、そうじゃなくなったようです。そして死に魅せられるように自殺してしまう。
彼を変えたものは何だろう。
怖さとグロさを超えた面白さ
アマゾン調査隊のメンバーが次々と不可解な自殺をしていきます。なぜかを知りたくて読むのをやめられませんでした。
アマゾンで何があったのか?
彼らは禁断の地に足を踏み入れ・・・。この先イヤな予感がすると思いながらもページをめくる手をとめられない。後からジワジワと怖さがやってきました。
想像すると怖い。これ、リアルにいたら恐ろしい。
グロいの苦手なんです。でも『天使の囀り』は、それを超えた面白さがありました。怖くてグロいだけではないんですよね。
恐怖が快楽に変わる!?
次々と自殺者がでます。それが、どれも不可解・・・。
- 「死恐怖症」だった高梨は死に魅せられるように
- 動物恐怖だった人はトラに自ら近寄っていき
- 潔癖症だった人は泥沼に入水
彼らには「天使の囀り」が聞こえていました。・・・天使が降臨したのでしょうか?
恐怖が快楽に変わるなんて麻薬みたい。
怖いものが心地よいものに変わるのは魅力的だけど・・・。読み進めていくとゾッとしました。
これはイヤだ。
感染しちゃえば天使かもしれないけど、傍から見ると死神や悪魔にしか思えません。しかも最終段階がかなりグロいんです。
映像化は絶対しないでほしい・・・。
『天使の囀り』結末|早苗は感染したのか、否か
『天使の囀り』この結末は好きです。終末期医療に携わる早苗だからやってしまったことなのかもしれませんね。良いのか悪いのか判断は難しい。・・・けど、共感しました。
早苗は感染していたのか、否か。
どちらともとれる最後だった。感染していなかったと願いたい。