『東京すみっこごはん』あらすじと感想|成田名璃子|愛情たっぷりの料理と優しい結末
- 『東京すみっこごはん』あらすじと感想文
- 共同台所「すみっこごはん」について
- 優しさがつまった料理
- 明かされる秘密
少しだけネタバレあります。
美味しいご飯は、たくさんの愛情がつまっている。
成田名璃子さん『東京すみっこごはん』感想です。良い本を読んだなという感じでした。
美味しそうなご飯と、人間ドラマに心が温まる物語。
素敵なストーリーだったよ。心がポカポカ。
『東京すみっこごはん』あらすじ&本の目次
食べるって大切
東京にある古ぼけたご飯屋さん。そこは、様々な人が集まる 「共同の台所」 だった。美味しいご飯に、心も体も元気になる一冊。
『東京すみっこごはん』ネタバレ感想文
「すみっこごはん」って何だろう。
「すみっコぐらし」っていうキャラクターが好きなのでタイトルに親近感がわきました。
すみっこって落ち着くよね。・・・この本には全く関係がないのだけど。
風変わりなご飯屋さん
「すみっこごはん」は東京にひっそりとあるご飯屋さんです。
ただのご飯屋さんではありません。ちょっと変わった・・・イヤ、かなり風変わりなご飯屋さんでした。
共同の台所で くじ引きで料理当番を決める。見ず知らずの人たちが集まって ごはんを作り一緒に食べるだけの場所です。
不思議な感じがするけど、ほっこりするんですよね。みんな楽しそうで、しかも料理が美味しそうで・・・。
「いい味だしてる女の子」ではお味噌汁、「婚活バーグ」ではハンバーグ、「団欒の肉じゃが」では肉じゃが、「アラ還おやじのパスタ」ではナポリタンが出てきます。
美味しいご飯を前にすると一日の疲れも吹っ飛ぶよね。
ほっくり肉じゃが
お味噌汁、ハンバーグ、肉じゃが・・・。私の好きなものばかりです。中でも肉じゃがの描写が美味しそうで、これを読んだ日の晩ご飯は肉じゃがにしちゃいました!
心も体も温まる。肉じゃがは 第3話の「団欒の肉じゃが」に出てきます。
ほっくりしたじゃがいも、良いね。
「すみっこごはん」には丁寧なレシピがあって、料理当番になった人はそのレシピから作るんです。愛情がいっぱいつまったノート。
そのレシピノートが欲しい。
共同台所は心のよりどころ
「すみっこごはん」に来るのはほとんど常連さんです。
高校生の楓、純也、田上さん、丸山さん、金子さん、柿本さん、奈央さん、一斗さん、ジェップ・・・。
みんな何かしら抱えているものがあって 居場所を求めて「すみっこごはん」にやって来ていました。
共同台所は彼らの心のよりどころ。落ち込んでいても美味しい料理を食べると元気がでてくる。
すべての料理に愛情がつまっていて優しさに泣きました。食べても何も状況が変わるわけではないけれど、明日の自分は今日の自分よりマシなんじゃないかと前向きになれるんです。
愛情が込められた料理は強い。
世界はお味噌汁
面白いなと思ったところがありました。世界はお味噌汁なんです!
この世界は大きな鍋で、人は昆布や鰹節みたいなものかもしれない。みんな、それぞれの味を出しながら、世界という一つの大きな味をつくって暮らしているのだ
この表現が好きです。人はみんな昆布やかつお節のようにいい味だしてるんですよね。この本で描かれている登場人物たちのように。
高校生の楓が作ったお味噌汁。始めは上手くできなかったのに、終盤になると上達しているのを読んで嬉しくなりました。
美味しいご飯を食べさせてあげたいという大切な人への優しさ。
お味噌汁を始め、料理がすべて美味しそうなのは、作り手の優しさにあふれているからです。
今日も頑張ったね、私もあなたも。
『東京すみっこごはん』明かされる秘密にほっこり
最後にいくにつれて「すみっこごはん」の秘密が明らかになっていきます。
結末は今まで以上に優しくポロポロと泣けてきました。愛情にあふれた物語ですね。
ほっこりしたよ。