『スイート・ホーム』あらすじ・ネタバレ感想文|心温まる連作短編|原田マハ

- 『スイート・ホーム』あらすじと感想文
- 心のこもった料理について
- テーマは 「家族愛」
- 誰かを大切に想う気持ちについて
少しだけネタバレあります。
いつも誰かを想っていたい
原田マハさんの小説『スイート・ホーム』感想です。とても心温まる連作短編集でした。
愛を感じられる小説。

こんなケーキ屋さんがあったら良いな。・・・通っちゃいそう。
『スイート・ホーム』あらすじ
愛に満ちた家族の物語
小さな洋菓子店「スイート・ホーム」でくり広げられる家族の物語。こころがホカホカになる、幸せのレシピ。その中にあるのは・・・。
『スイート・ホーム』ネタバレ感想文
愛を感じて泣きました。読後感は最高に良かったです。
なんてことのない日常を描いた小説だけど、日常にこそたくさんの幸せがつまっているんですよね。
どの物語にも登場するのが、小さな洋菓子店「スイート・ホーム」。表題作「スイート・ホーム」を始め8話の短編がつめこまれた宝箱のような一冊でした。

すべて結末が良くてほっこりするよ。
洋菓子店「スイート・ホーム」

「スイート・ホーム」はみんなの憩いの場。
兵庫県宝塚にある小さな洋菓子店。甘い香りが漂い、チョコレート色のドアのそばには大きなキンモクセイの木があります。

モデルのお店、あるのかな?
パティシエ一家も常連客も、みんな和やかな雰囲気で温かな気持ちになっていたのが印象的。・・・私も通いたくなりました。
『スイート・ホーム』は様々な登場人物の視点で描かれています。
パティシエ一家の長女・陽皆 (ひな)、次女・晴日 (はるひ)、料理教室 「オアシス・キッチン」 の未来・・・。
表題作 「スイート・ホーム」 は陽皆が主人公の恋物語でした。彼女の恋を応援しつつ、雑貨店に務める彼女のお見送りに共感。

売れない日もあるから、ありがたくて見えなくなるまでお見送りするのがとても良くわかる。
洋菓子店のパティシエ・陽皆の父を見て育った彼女は、それを無意識にやっていました。そんな彼らに好感が持てるんです。
彼女の恋と心のこもった料理
「あしたのレシピ」の未来の恋が切なくて、でも素敵でした。
『スイート・ホーム』には、いくつかの恋が描かれています。陽皆の恋、晴日の恋、未来の恋・・・。未来が主人公の「あしたのレシピ」が好きです。
好きになった男の子・辰野くんに気持ちを伝えようとした未来だけど、彼には他に好きな人がいて・・・。
彼を思いやる気持ちが健気で切なく、心が温かくなりました。相手のことを想いながら料理を作る喜び。心のこもった料理は美味しいですね。

『東京すみっこごはん』を思い出したよ。

どんなに高級な食材を使った料理でも、母の手料理にはかなわない。レストランで食べるご飯も美味しいけど母の料理はホッとします。
テーマは家族の愛

『スイート・ホーム』は”家族の愛”をテーマにした物語でした。
はじめの3つ 「スイート・ホーム」 「あしたのレシピ」 「希望のギフト」 を読むと恋愛もの?と思うけど、物語は後にも繋がっています。
全体を見てみると、描かれてるのは”家族の愛”なんですよね。
家は、人が住んで、家庭になる。「ハウス」 は、人が人と暮らして、時を経て 「ホーム」 になる

この言葉が素敵。
楽しいことも辛いことも一緒に経験して乗り越えて、「家庭」 になり 「ホーム」 になる。すべての短編が繋がっていて、時間の経過を感じました。

家族って良いね。
『スイート・ホーム』心温まる結末|いつも誰かを想っていたい
誰かを大切に想う気持ちって温かい。
『スイート・ホーム』は、それが伝わるだけでこんなにも満ち足りた気持ちになるんだと実感できた一冊です。みんな大切に想う誰かがいて、それが本人に伝わったとき一緒に泣いてました。

ここで描かれている人たちのように、いつも誰かを想っていたい。
恋人、家族、友だち・・・。私のまわりにも大切な人たちがいます。私が大切に想っているように、相手も私のことを同じように想ってくれている。それだけで幸せですね。


