『神様のカルテ0』あらすじ・ネタバレ|読書感想文にオススメ|夏川草介

- 『神様のカルテ0』あらすじと感想文
- 想像力と優しさ
- 短編集ならではの魅力
- 作者の思い
優しさと想像する力。
夏川草介さんの小説『神様のカルテ0』感想です。素敵な物語でした。『神様のカルテ0』は様々な人たちを主人公にしたお話。それも『神様のカルテ』以前の物語です。

『神様のカルテ』シリーズは読書感想文にもおすすめだよ。

『神様のカルテ0』あらすじ
『神様のカルテ』珠玉の短編集
『神様のカルテ』に登場する様々な人々の物語。
- 「有明」・・・医師国家試験直前の一止とその仲間たちの物語
- 「彼岸過ぎまで」・・・本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と事務長・金山弁二の物語
- 「神様のカルテ」・・・研修医として本庄病院で働くことになった一止の物語
- 「冬山記」・・・山岳写真家である榛名の物語
『神様のカルテ0』ネタバレ感想文
『神様のカルテ0』は読んだあとに「自分も優しくありたい」「優しい人間でありたい」と思うような温かい作品でした。

このシリーズで泣かないことはない。・・・号泣だった。
想像する力と優しさ

夏川さんは、本を読む人ほどたくさんの人生を体験できて、たくさんの人の気持ちがわかるようになると書いています。
大事なのは想像力。
『神様のカルテ』の登場人物は、イチさんを始めみんな心の痛みがわかる人たちでした。・・・だからすんなりと共感できる。
イチさんも、進藤さんも、ハルさんも、大狸先生も、みんな優しい。どのお話も心温まりました。

私も優しい人間でありたい。
『神様のカルテ0』は、たくさんの優しさが描かれています。
- 「有明」では、進藤さんの友達に対する優しさがあふれていました。・・・こんな男性は素敵です
- 「彼岸過ぎまで」では、大狸先生と金山事務長さんの優しさ
- 「神様のカルテ」では、夏目漱石を愛読書とするイチさんの優しさ
- 「冬山記」では、ハルさんの揺るがない山への愛と優しさ
短編集ならではの魅力
様々な登場人物を主軸として描かれています。今までそんなに好きではなかった登場人物が好きになったりも・・・。
「彼岸過ぎまで」で描かれている金山事務長です。
病院の事務をひき受けている金庫番。今までは良い印象がなかったけど180度変わりました。事務長もまた辛い過去を経験して自分の信念に基づいて行動しているんだなと・・・。
大狸先生と事務長の2人が焼き鳥屋で話す会話が好きです。

夏川さんが描く登場人物はみんな素敵だね。
夏川さんの想い
夏川さんの想いがにじみ出ているところがありました。
医者にできることは限られている。
お医者さんだからこそ感じるやるせなさ。そして夏川さんの医療に対して真摯で誠実な気持ちが伺えます。

夏川さんもまた優しい人なんだろうな。


