ヒューマン・ラブストーリー

優しい登場人物と正解のない医療『神様のカルテ3』夏川 草介【あらすじと感想】

医療に正解はない―。

夏川 草介さん『神様のカルテ3』
『神様のカルテ』もようやく3巻まで読み終えました。読んでいくうちに どんどん好きの度合いが増していきました。

『神様のカルテ3』あらすじ

優しさに涙する。

『神様のカルテ3』
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
激務に追われる内科医・栗原一止。そこに新任の内科医がやってきた。

『神様のカルテ3』感想

『神様のカルテ』シリーズは登場人物たちが素敵なんです。どの人にも愛着がわく。

御嶽荘の住人

コーヒー好きの私が思わず頷いてしまったところがありました。イチさんと御嶽荘の住人・屋久杉くんのシーンです。疲れた時に飲むコーヒーは格別ですよね。

御嶽荘には個性的な住人たちがいます。

絵かきの男爵は、その中でも私が好きな登場人物です。妙に愛着がわく。こんな住人がいる御嶽荘は楽しそうです。私も住人のような気持ちになって読んでいました。

夏川さんは人を描くのが上手いです。

面白味もあり、時にはグッとくる言葉を言って心に響きます。私が本を好きになる基準って、大体が登場人物を好きになれるか否かなんです。

『神様のカルテ』はイチさんを始め優しい登場人物ばかりで読んでいて楽しくなります。・・・こういう本、好きです。

医者のあり方

『神様のカルテ3』では新任の小幡先生が新たに登場します。その彼女がイチさんに言い放つ言葉が印象的でした。

「医者は無知であることが悪」

始めは何だこの先生は・・・と反感を持ちましたが、彼女の言い分も一理あるという気持ちに変わってきました。病気を診断するのにお医者さんが無知では困りますよね。でもイチさんのような どんな患者さんでも最善をつくすことも大切です。

本書では、ある老人の手術をすることでそれまでのイチさんの考え方に大きな波紋を呼び起こします。

イチさんの決断

まるで仙人のように人生を悟っている老人の手術に対してイチさんは思うのです。医療というものの難しさについて・・・。

医療に正解はない。

最後の方は思わず、えぇ!!・・・っと背筋が凍りつく思いがしました。夜中に読んでいたのですが、一気に目が覚めてしまったほどです。

良かった、患者さんが仙人さまのような人で。

その手術を経てイチさんは重大な決断をするのです。そして小幡先生の信念の理由も明らかになり、胸が締め付けられました。なかなか深いお話でした。

『神様のカルテ3』を読んでいながら、途中で私まだ泣いていない!!ということに気づきました。

このまま泣かずに終わるのかしら・・・と思っていた矢先。不意に泣いてしまったシーンがありました。大狸先生とイチさんが小料理屋で飲んでいるシーンです。

そこには3人分の席が用意されていて・・・。でももう一人は一向に来る気配がなく。そして、そこの空白の席が誰のものだったかわかった瞬間。

(இ﹏இ`。)

・・・切なくなってしまいます。同時に温かい気持ちにもなりました。やっぱり泣かずにはいられない物語でした。

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ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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