『君の膵臓をたべたい』あらすじ・ネタバレ感想文|号泣できなかった理由|住野よる

- 『君の膵臓をたべたい』あらすじと感想文
- 号泣できなかった理由
- 僕と桜良の関係
- 桜良と僕の本音
- ガム男くん
少しだけネタバレあります。
1日1日を大切に生きよう。
住野よるさんの小説『君の膵臓をたべたい』感想文です。タイトルのインパクトが半端なく良いですよね。なんだろうと気になって手にとってしまう。
『君の膵臓をたべたい』は、膵臓の病気で余命わずかな桜良と、僕(主人公)の物語です。
号泣はしなかったけど、途中ウルっとくる箇所はありました。ただ、ハマれなかった・・・。

これはラノベ?若い子向けの小説かな。
『君の膵臓をたべたい』あらすじ
余命わずかな彼女と僕
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それはクラスメイトである山内桜良が綴った、秘密の日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて―。
『君の膵臓をたべたい』ネタバレ感想文
『君の膵臓をたべたい』は、膵臓の病気で余命わずかな桜良が、主人公の僕と残りの人生を過ごす・・・という物語です。
ラノベのような読みやすさがありました。もし学生の頃にこれを読んでいたら、好きな部類の小説だったかも。
・・・ただ、ある程度小説を読んできた私には、正直、ここまでヒットする理由がわかりませんでした。
ストーリー的には売れると思うけど、軽いんですよね。一見グロテスクなタイトルなのに軽くてびっくりしたほどです。

タイトルはインパクトあって良いと思うよ。
今日のレビューは辛口もあります。私が号泣できなかった(ハマれなかった)理由について書きました。
読みやすくて読みづらい|号泣できなかった(ハマれなかった)理由①

一番に感じたのが、サクサク読める文章の軽さです。マンガのような読みやすさ。たぶん本をあまり読まない人にも読みやすいんじゃないかな。
読みやすさと同時に読みにくさも感じた。
一回読んだだけでは誰が誰に向かって言ったものなのか理解出来ず、数回、同じ文章を読み直すこと度々・・・。

みやすいけど、なんだか読みにくい。
こういう会話の面白さと軽さがあるから、膵臓の病気で余命わずかという内容なのに全く重さを感じないのかな。
主人公の男の子と桜良の会話がユニークなのは良いですね。他愛ない高校生の会話は微笑ましかったです。
桜良が元気すぎてリアリティがない|号泣できなかった(ハマれなかった)理由②
読み終わったあとに心に残るか?と聞かれると、首をかしげてしまいます。一瞬、感動したけど、文章が稚拙すぎて、そっちの方が気になってしまいました。
膵臓の病気で余命わずか・・・というのに、桜良が元気すぎる。
明るすぎるし、リアリティがなくて濃いようで薄く感じます。・・・だから心に残らないのかもしれません。

綺麗なところだけをまとめて小説にしたという印象だった。
それに、なぜ主人公の名前を最後まで隠す必要があるのか?
ミステリー小説を読みなれている人だったら感じることで。何かある?と、期待しながら読み進めてしまったんですよね。・・・結果、特に何もなくて落胆です。

伏線が全く生かされてないんだけど。
ある作家さんを連想する名前ではありました(志賀直哉と村上春樹)。・・・で?それだけ。完全に肩透かしです。
辛口レビューはここまで。次は小説を読んで良かったことも書いています。
僕と桜良の関係|良かったところ①

僕と桜良の関係です。恋人でも、ただのクラスメイトでもなく、あえて彼らの関係に名前をつけるとすれば友だち。
・・・なんだけど、そのひと言で括れないような曖昧な雰囲気が漂っていました。『君の膵臓をたべたい』は、恋愛ものではないんですよね。
視点は僕。まるっきし正反対の彼女と一緒に過ごすことで、彼の心境が変化していく。

成長していく姿が微笑ましかった。
本の中で好きなところ(考え方)があります。
人との出会いは偶然や必然なのかもしれないけど、その人と関わるのかは自分の選択しだい。
この考え方が好きです。今いる私は、たくさんの選択をして出来上がった私なんだなと、しみじみしちゃいました。

主人公の僕のように、人と関わることで知らずの間にたくさんの影響を受けたり与えたりするんだよね。
桜良と僕の本音|良かったところ②
軽さの中に突然でてくる桜良と僕の本音。
そうだった、桜良は余命わずかなんですよね。彼女の本音が描かれたところは心が締めつけられます。
読み手は彼女の心情を想像しなければなりません。・・・彼女の心情が書かれてないからです。

そこに泣いてしまう人もいるんだろうな。
あまりハマれなかった私でも、号泣はなかったけどウルっときたところがありました。
彼女が残した「共病文庫」の内容。そして遺書を読んだとき。
彼女と一緒にいるうちに彼が素直になっていくのもウルっときますね。
思えば本音ってなかなか人前では言えてない・・・。だから彼の素直な言葉にぐっとくるのかもしれません。

最後のメールが彼女に届いてよかった(届いてるよね?)
ただひとつ。桜良の死だけは突然すぎて、ついていけませんでした。この展開、無理やりな感じがします。
『君の膵臓をたべたい』気になるガム男くん
主人公や桜良のキャラも個性的だけど、それよりも気になったのが、僕にガムを差しだすクラスメイトの男の子でした。
ガム男くんが気になる!!

ガム男くん、ちょこちょこしか出てこないけど、いい奴なんだろうな。
あまりハマれなかった小説ではあるけど、ガム男くんに出会えて良かったです。


