「美しい墓」あらすじ・ネタバレ感想文|色彩の魔術師アンリ・マティス『ジヴェルニーの食卓』原田マハ|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

「美しい墓」あらすじ・ネタバレ感想文|色彩の魔術師アンリ・マティス『ジヴェルニーの食卓』原田マハ

ひだまりさん。
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この記事に書かれていること
  • 『ジヴェルニーの食卓』より、『美しい墓』あらすじと感想文
  • アンリ・マティス 「マグノリアのある静物」
  • マティスの熱い視線
  • マティスとピカソの友情
  • ヴァンス ロザリオ礼拝堂

少しだけネタバレあります。

生きる喜びを描き続けた画家。

原田マハさんのアート小説『ジヴェルニーの食卓』感想です。4つの短編集。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ・・・。

実話に基づき、印象派画家と言われるアーティストを描いたお話でした。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

4話どれも素晴らしい!!

1話ずつレビューを書いています。まずは『ジヴェルニーの食卓』より、アンリ・マティスを描いた『美しい墓』のレビューです。

『ジヴェルニーの食卓』あらすじ

画家たちの物語

あらすじ

マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌ、ゴッホ、モネ。新しい美を求め、時代を切り拓いた巨匠たちの人生が色鮮やかに蘇る。『楽園のカンヴァス』で注目を集める著者が贈る、“読む美術館”。

アンリ・マティス 「マグノリアのある静物」

アンリ・マティスはフランスの画家です。

自然をこよなく愛し「色彩の魔術師」と言われ、緑あふれる世界を描き続けました。

こちらがマティスが描いた絵。原田さんの小説にも出てきます。

マグノリアのある静物
マグノリアのある静物
ひだまりさん。
ひだまりさん。

カラフルでポップな絵。

マグノリアの後ろに描かれているのはオレンジ色の鍋・・・。意外な組み合わせだけど楽しくなってきます。

原田さんの文章を読みながら絵を眺めるのも、この小説の醍醐味ですね。

『美しい墓』ネタバレ感想文

1話目から目が潤みました。

修道女・マリアの回想で語られる 「色彩の魔術師」 アンリ・マティス。

一人称で語られる小説って、実はあまり好きじゃないんです。でも原田さんが描くとこうも違うのか!・・・と。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

物語に引き込まれたよ。

マティスの熱い視線

『美しい墓』は、かつてマティスに仕えていたマリアという女性の視点で描かれていました。

マグノリアのマダムに仕えていたマリアは、21歳の夏、アンリ・マティスに出会います。情熱的な画家でした。

ひつじ。
ひつじ。

彼はいつもひと目ぼれをするんだ。

マティスの絵を何枚か見て感嘆しました。これが彼の視線なのかと。

もちろん、ここで描かれているマティスの人物像は原田さんの創作。でも一瞬一瞬をカンヴァスに写し取る画家の視線は、ひと目ぼれの感覚に似ていますね。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

ただ生きる喜びだけを描き続けたいとの強い思いに胸を打たれたよ。

彼の絵を見てると喜びや楽しさが伝わってきます。マグノリアの花と鍋を一緒に描いた 「マグノリアのある静物」 も。

ダンスをしている絵も躍動感がありました。

マティスとピカソの友情

『美しい墓』には、パブロ・ピカソも登場します。

マティスの絵が鮮やかな色彩で描かれているのに対し、反戦の思いを描いたピカソの 「ゲルニカ」 はモノトーンの暗い絵。反対の雰囲気を醸し出していました。

12歳の年の差はあるけど、お互い親交があったようです。

でもマティスが亡くなったとき、ピカソは葬儀にも姿を見せなかった・・・。マリアが彼を訪ねたシーンが印象的でした。

ピカソが託した一輪のマグノリア。

それに込められた彼の思いを感じた瞬間、何とも言えない哀しさがあふれました。

パブロ・ピカソについては『暗幕のゲルニカ』もおすすめです。同じく原田さんのアート小説。

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ヴァンス ロザリオ礼拝堂

『美しい墓』とは、ヴァンス村にあるロザリオ礼拝堂を指しています。

アンリ・マティスが手がけたロザリオ礼拝堂。

色鮮やかなステンドグラス、光が差し込むと素敵でしょうね。4年の歳月を捧げ、完成させた礼拝堂。マティスの集大成です。

ピカソから託されたマグノリアを持って、マリアは礼拝堂に訪れます。

ひつじ。
ひつじ。

マティスが晩年を捧げたその場所は、彼の思いが一番つまっているところなのかも。

『ジヴェルニーの食卓』は、画家の生涯を垣間見れる本

『ジヴェルニーの食卓』より、アンリ・マティスを描いた『美しい墓』のレビューでした。

マグノリアのマダムの最後、そしてマリアの視点で描かれたマティスも・・・。ラストは切なさがあとをひきます。

原田さんの小説は画家の生涯を垣間見ることができる。

その後に絵画を見るのが楽しいんですよね。おすすめの一冊です。

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