- 池井戸潤さんの小説『アキラとあきら』あらすじと感想
- W主演!!彬と瑛
- それぞれの宿命
- メガバンク産業中央銀行の新人研修
- カネは人のために
- 東海郵船の運命とWアキラの決断
少しだけネタバレあります。
試練を乗り越えろ!
池井戸潤さんの小説『アキラとあきら』感想です。向井理さん × 斎藤工さん W主演。WOWOWドラマ化されました。池井戸さんの本を読むのは『下町ロケット』『ガウディ計画』以来です。
『アキラとあきら』あらすじ
向井理さん × 斎藤工さんW主演!!
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
山崎瑛と階堂彬。名前は同じだが、生まれも育ちも違うアキラ。彼らは様々な試練に立ち向かうが・・・。
『アキラとあきら』感想
最後にスカッとするのが心地よい。ラストは爽快そのものでした。しかもボリューミーなので読み終わったときの満足感が半端なかったです。
W主演!!彬と瑛

向井理さん×斎藤工さんW主演
向井さん演じるのは、大手海運会社東海郵船の御曹司・階堂彬 (かいどうあきら)。斎藤さん演じるのは、零細工場の息子・山崎瑛 (やまざきあきら) です。
生まれも育ちもまるで正反対な彼らは、お互いに宿命を背負い、別々の人生を歩んでいきます。
自らの意志で人生を選んできたエリートと、自らの能力で人生を切り開いてきた天才。
2人の人生が交差するとき、新たな困難がふりかかる・・・。バブルで日本が沸いていた時代からバブル崩壊の激動の時代が舞台でした。
銀行も潰れるんだとびっくりした記憶があります。私は 就職氷河期世代。短大を卒業したけど就職難でした。バブル期の好景気だったころの記憶は曖昧です。
それぞれの宿命
主人公2人の幼少期から、恋愛、就職、結婚までの人生が描かれています。そんな中で感じたのが彼らの 「宿命」 です。
生まれながらのエリート・彬
東海郵船の御曹司・彬は 家業を継がず自らの意志でメガバンクに就職します。生まれながらのエリートですね。
恵まれているからって良いわけではないんですね。彼は自分の意志で人生を切り開きますが、結局そのしがらみからは逃れられないんです。
東海郵船の御曹司として生まれてきた彼の宿命をひしひしと感じました。
もう1人の瑛
零細工場の息子として生まれた瑛もまた 過酷な人生を歩んでいきます。父の経営する工場が潰れてしまう・・・。幼少期は 瑛の視点の方が多めに描かれていました。
やがて彼も同じメガバンクに就職する。そこで感じた無力感にやるせなさを感じてしまいます。
かつて自分も経験してきた辛さ。でも彼だからできた救済がありました。担当していた会社は倒産してしまったけど、1人の女の子の命を救った。
そんな瑛にも宿命を感じました。
メガバンク産業中央銀行の新人研修

別々の人生を歩んできた瑛と彬ですが、幼少期を経てやっと接点ができます。メガバンク産業中央銀行への就職。新人研修が面白かったです。
実践形式の融資戦略研修。融資を申し込む会社役と、融資するかを決める銀行役に別れて戦略を考える。・・・ロープレのような感じですね。
会社側の階堂彬チーム VS 銀行側の山崎瑛チーム。
融資を申し込むチームは会社の存続がかかっているから必死です。でも業績は赤字続きで、とうてい融資を受けられそうな状態ではないものでした。
彬チームはどんな手をつかい融資を申し込むのか?それに対して稟議書を作成する瑛チームは 融資をするのか否か。
緊迫感が伝わってきて内容にびっくり。えっ! 粉飾!?・・・これは面白いです。
カネは人のために
ハラハラドキドキの展開
銀行マン、バンカーとしての仕事が細かに書かれていました。担当の会社に寄り添い、共に経営を再建していく過程に圧倒されます。
会社を経営したこともなければ、バンカーでもない私が感じた感動。知識ゼロで読んでいても胸が熱くなります。
後半の東海郵船の危機、彬の叔父・晋が経営するロイヤルマリン下田の件で奔走する彬と瑛を見ていると、この2人すごいと思ってしまいました。
ハラハラドキドキの展開です。プロのバンカーの心得に温かみを感じました。
融資をするのは会社のためでも銀行のためでもなく人のため。
会社と銀行って二人三脚なんですね。人と人とのつながりが感じられて心が温まりました。
東海郵船の運命とWアキラの決断
池井戸潤さんの著作『下町ロケット』を読んだ時にも感じたのですが、彼の本は働くことで得られる熱い気持ちを一緒に感じられるんです。
下町ロケットほどではなかったけど、イヤな奴もたくさん出てきました。
彬の叔父、崇や晋。彼らの経営はズサンでひどかった。最後は彼らの尻拭いをするハメになってしまいます。そのために下したWアキラの決断。
瑛が書いた稟議書の内容を知るまでは どんな解決策が?・・・と読むのを止められなかったです。結末は、とにかく爽快!!
読み終わったときの満足感が半端なく良かったです。
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