『おもいで星がかがやくとき』(絵本のあらすじと感想) 刀根里衣|ピナと夜空に輝くお星さま
- 『おもいで星がかがやくとき』あらすじと感想
- お星さまになった、そのひと
- 泣きたいとき
- かけがえのないもの
かけがえのない人を喪ったとき―。
刀根里衣さんの絵本『おもいで星がかがやくとき』感想です。図書館で借りてきました。順番が回ってきたので、さっそくカウンターに受け取りに行くと・・・、
で、でかい!!
いつも見なれた絵本の大きさよりも大きくて (縦長で) 面食らってしまいました。
この大きさで見る刀根さんのイラストは格別。
『おもいで星がかがやくとき』あらすじ
かけがえのない人を喪ったとき
ある日、ピナの大切なひとがいなくなってしまいました。そのひとは、お星さまになったといいますが・・・。
『おもいで星がかがやくとき』感想文
刀根さんのことばが優しくて泣きそうになりました。
素敵な絵本だったよ。
お星さまになった、そのひと
突然、大切な人がいなくなったとき・・・。
ピナはお星さまになったという、その人を探しに思い出の場所を訪ねます。一緒に泳いだ海、2人で遊んだ水辺、かくれんぼをした花畑・・・。
可愛いネズミのピナとともに 刀根さんの淡く幻想的な風景イラストが楽しめます。
でもピナの大切な人はいなくて、切なく心に残りました。
いなくなるのは、突然なんだ。
泣きたいとき
『おもいで星がかがやくとき』は大切な人をなくした喪失感と、それを乗り越えていくピナの姿が描かれています。
悲しいときは思いっきり泣くと良いと言いますよね。中途半端に悲しむよりも思いっきり泣いた方が、気持ちがスッキリする場合があります。
泣きたいときは、泣いてもいいんだよ。
お星さまの言葉が優しい。大きなことではないけど、泣きたいのに我慢してしまうときが私にもあります。
刀根さんの言葉は優しい。ストンと心に落ちて温まる。途中から自分に言い聞かせるように読んでた。
かけがえのないもの
お星さまは探している人はもういないとピナに言います。
残酷だけど、いずれは知らないといけないこと。喪失感で打ちひしがれているときって、楽しい思い出ほど思い出すのが辛いものです。
でも時とともにかけがえのないものに変わっていくはず。
素敵な言葉がありました。
「あなたは、そのひとが この世に 生きていたあかし。あふれるおもいでで、大切なひとを てらしつづけてあげて」
私はその人が生きていたあかし。
そう言われると、胸を張って生きていこうという気になりますね。・・・大切な人の分まで。
思い出を持つことで亡くなった人も輝き続けることができる。とても素晴らしいことだね。
空にかがやく、たくさんのおもいで星
亡くなったひとは星になる・・・とはよく言うけど、残された人はその星をながめながら彼らを思います。
手が届きそうで届かない星。切なく寂しい気持ちになったり、穏やかな気持ちになったりもしますよね。 そういう思いを馳せている時間はとても大切。
星の数だけたくさんの想いがあって、夜空に輝く星のひとつひとつが誰かの思い出。
そう考えて星空を見上げると、いつもとはまた違った感情がわきあがってきそう。感慨深いです。