- 今野敏さんの小説『変幻』あらすじと感想
- 同期の絆
- 特殊班で消息を絶った女
- おなじみの名シーン
少しだけネタバレあります
たとえいなくなっても俺たちは同期だ―。
今野敏さんの小説『変幻』感想です。『同期』『欠落』に続きシリーズ3作目にて完結です。今野さんの警察小説は面白いですね。ハズレがない。1日で読んでしまいました。
『変幻』あらすじ
同期シリーズ完結!!
本の評価
おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク
【あらすじ】
宇田川刑事の同期、大石が姿を消した。心配になった宇田川は 彼女の行方を追うのだが・・・。
『変幻』感想
安定の面白さ。今回も楽しく読みました。
今野さんの小説ってシリーズものが多い気がします。登場人物に魅力があって、1冊読むと必ず続きを読みたくなってしまう。彼の警察小説は 間違いなく面白いです。
警視庁捜査一課・碓氷弘一シリーズ、倉島警部補シリーズ、隠蔽捜査シリーズ、石神達彦シリーズ、安積班シリーズ・・・。
本作『同期』シリーズにおいては、3作品すべて読みました。前作からかなり間があいていたのですが、植松さんや土岐さんが出てきたあたりからニンマリ微笑んでしまいました。
同期の絆

『変幻』は 同期の刑事たちが出てきます。
主人公の宇田川、彼の同期で 元 (?) 公安・蘇我と特殊班・大石、彼の先輩・植松と、植松の同期・土岐。
私は 中途採用だったので、同期、いないんです。・・・だから羨ましくなりました。仲間でいて、良きライバル。彼らの絆を感じました。
今回は彼らに加え、また個性的なキャラの荒川、日野、そして臨海署の相楽係長も登場します。(←この人、知ってると思っていたら 安積班シリーズに出てきました)
特殊班で消息を絶った女

公安を辞めさせられた男。特殊班で消息を絶った女。
公安を辞めさせられた男は 蘇我。(彼については『同期』を読むと良いです) そして特殊班で消息を絶った女が 大石さんです。
潜入捜査をしていた大石さんを救出するために 宇田川たちが紛争するお話。宇田川が捜査していた殺人事件と、消息を絶った彼女の繋がりが見えてきて・・・。
彼女は無事なのか?殺人事件との繋がりは・・・?
ドキドキしながら読み進めました。
おなじみの名シーン
このシリーズでは おなじみの名シーンがあります。宇田川が啖呵を切るシーン。・・・読んでいるとスカッとするんですよね。
今回は厚労省にたてついていました。彼の言葉に仲間との絆を感じます。同期シリーズの醍醐味です。
田端課長が宇田川に言った言葉にクスっと笑ってしまいました。
「おまえ、相変わらずだな。懲戒とか、怖くないのか」 (中略) 「出世するか、いつかクビになるかのどっちかだな……」
おっしゃるとおり。いまいちキャラが薄い主人公ですが、この啖呵が良い持ち味になっています。面白いな、同期シリーズ。
また会いたい、彼らに・・・
公安を辞めさせられた蘇我。消息を絶った大石。最後に宇田川が蘇我に言ったひとことが心に残りました。
このシリーズ終わりなんだと思うと、感慨深いものがあります。・・・またどこかに登場させてほしいな。
名残惜しいけど満足の1冊でした。
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