『変身』あらすじ・ネタバレ感想文|自分が自分でなくなっていく恐怖|東野圭吾
人格が徐々に変わっていく―。
東野圭吾さんの小説『変身』感想です。もし脳の移植が可能で、移植したら私は私のままなんだろうか・・・と、恐怖を感じました。
『変身』は、脳移植を扱っている物語。
怖いけど面白かったよ。
映画化&ドラマ化もされていますね。映像もよくて楽しめました。
『変身』あらすじ
自分が自分でなくなっていく恐怖
平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。
『変身』ネタバレ感想文
『変身』を読んで、脳移植後の人格について考えました。
脳移植したら元の持ち主の性格や嗜好などが影響するのか。以前の自分ではいられなくなるのか。
本人の意図しないところで、移植後に少しずつ人格が変わっていく成瀬純一。
考えるだけでゾッとする。
脳は記憶を司るところだから、自分が自分でなくなってしまうような不安を感じました。まるっきり人格が変わってしまい、凶暴になったりすると怖い・・・。
ある程度はドナーの影響を受けるのかな。
心臓移植の場合は、移植前と移植後では嗜好が変わったなどの例は多くあるようですね。それくらいなら、すんなり受け入れられそうだけど。
成長していく過程で食べ物の好みや考え方などが変わるのは誰もが経験しているだろうし。
心臓移植後にドナーと同じ嗜好になったという声もあります。中にはドナーの記憶までも共有して事件が解決した例もあったとか。
『変身』は、主人公が徐々に凶暴化していく過程が怖かったです。
最後に一瞬、成瀬純一に戻ったのが救いですね。脳移植なんて、するもんじゃないと思いました。