ミステリー・サスペンス

『ラットマン』道尾秀介【あらすじと感想】思い込みの真実と過ち

思い込みの真実と過ち。

道尾秀介さんの小説『ラットマン』感想です。道尾さんの本を読むのも3冊目ともなれば疑いながら読む自分がいます。

じっくり一言も逃さないぞと気合いを入れて読みました。・・・その甲斐も虚しく あっさりと騙される私。しかも『ラットマン』だけで3回も。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
こうなると悔しいよりも清々しいです。

『ラットマン』あらすじ

きっとみんな騙される。

本の評価

おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
姫川亮はアマチュアロックバンドのギタリスト。練習をしているスタジオで事件が起こった。

『ラットマン』感想

最初に騙されたと分かった時には、えっ!!と、思わず声が出ちゃいました『ラットマン』。こんなことも初めてです。

思い込みの原理

思い込みの原理について。

例えば ラットマン (ねずみ) の絵の横に動物の絵が並んでいるとネズミに見えます。でも人の顔が並んでいる方は人の顔に見える効果があるというものです。

一旦そう思ってしまうとラットマンはネズミにしか見えなくなってしまったり、人の顔にしか見えなくなってしまう・・・。

思い込みの怖さが存分に描かれた作品でした。

真実と過ち

ひとつの事実を間違った認識で捉えてしまう。

経験があるのですが、一旦そうだと思い込んでしまうと自分にとってはそれが真実になります。例えそれが間違ってたとしても。間違った認識なのに真実だと捉えてしまう。

ひつじくん。
ひつじくん。
思い込みの怖さだね。結果として大惨事になることもある。

『ラットマン』は 思い込みにより真実が二転三点するところが面白いです。

ゾッとする怖さもありました。みんながみんな思い込みによる勘違いだから始末に負えません。それぞれのラットマンを見ているんです。

結果、犯罪にまで発展してしまい思いも寄らない過ちを犯してしまう・・・。思い込みって恐ろしいです。

家族への想い

過去の出来事を引きずって生きている亮。自分も父と同じ立場に立たされた時、父が行ったことと同じことをしようとします。

父のことを理解するために―。

亮の家族は崩壊していました。父は病に犯され亡くなり、母は過去の償いに生きている毎日。たった一人の亮の姉が死んだ日から・・・。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
血の繋がりはあっても言葉にしないと想いは伝わらないんですね。家族ってなんなんだろう。

亮は父の真似をすることで父の気持ちを理解しようとしていました。そして過去の真実が浮かび上がってきます。

最後は母の想いも理解して思い込みが紐ほどけていきました。・・・こんな騙され方なら大歓迎です。胸が熱くなりました。

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ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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