『白鳥とコウモリ』ネタバレ感想文・あらすじ|タイトルの意味と結末を解説|東野圭吾|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

『白鳥とコウモリ』ネタバレ感想文・あらすじ|タイトルの意味と結末を解説|東野圭吾

ひだまりさん。
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この記事に書かれていること
  • 『白鳥とコウモリ』あらすじと感想文
  • テーマ「罪と罰」について
  • 2つの事件と疑問
  • 倉木の嘘
  • タイトルの意味
  • ひっくり返った真実

ネタバレあります。ご注意ください。

あなたのお父さんは嘘をついていると思います。

東野圭吾さんの小説『白鳥とコウモリ』読書感想です。「罪と罰」を描いた物語。東野さんの小説では、久々に重めストーリーを読みました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

読み応えあったよ。

でもちょっぴり帯が煽りすぎ。『白夜行』『手紙』(・・・と並ぶ?)新たなる最高傑作と書かれていました。

面白かったけど並んではいませんね。あの2つを引き合いに出しちゃいけなかったように感じました。

『白鳥とコウモリ』あらすじ

東野版『罪と罰』

あらすじ

遺体で発見された善良な弁護士。一人の男が殺害を自供し事件は解決するはずだった。「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の”告白”、絶望、そして希望。幸せな日々は、もう手放さなければならない。

テーマ「罪と罰」について

『白鳥とコウモリ』のテーマは「罪と罰」です。

東野圭吾さんの本で「罪と罰」というと、真っ先に『手紙』が思い浮かびました。「罪と罰」については『手紙』の方が深く追求している印象です。

・・・とは言え、『白鳥とコウモリ』もまた違った面白さがありました。

感じたこと

「罪と罰」は簡単に答えが出せるものではなくて、生きている限りはずっと背負い、考え続けなければいけない。

ひつじ。
ひつじ。

なかなか重いね。一生、ついて回るなんて・・・。

『白鳥とコウモリ』で「罪」を背負った人物も、何かしらの「罰」を背負っていました。過去の事件から今までずっと。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

その代償は計り知れない。

『白鳥とコウモリ』ネタバレ感想文|東野圭吾版「罪と罰」

東野圭吾さんの小説は重めストーリーでもサクサク読めますね。『白鳥とコウモリ』も読みやすかったです。

刑事目線、被害者側や加害者側・・・。様々な人の視点で描かれていて、登場人物それぞれの思いも伝わってきました。

ひつじ。
ひつじ。

後半は事件の様相がひっくり返り、さすがだったよ。

結びつく2つの事件と疑問

弁護士・白石健介の殺害事件が過去の事件と繋がっていきます。

2つの事件
  • 【1984年】愛知の事件(詐欺を働いていた男が殺害される)
  • 【2017年】東京の事件(弁護士・白石健介が殺害される)

逮捕されたのは倉木という男でした。彼は白石健介の殺害容疑で逮捕され、取り調べの過程で、1984年に起こった愛知の事件の犯人だと供述したのです。

疑問が2つ
  • なぜ倉木はあの事件(1984年)のとき逮捕されなかったのか
  • なぜ容疑の対象から外れたのか
ひだまりさん。
ひだまりさん。

犯人じゃないからなんだよね。

本の帯を読むと、倉木が犯人ではないだろうことは容易に想像がつきました。・・・じゃあ、なぜ倉木は嘘をつくのか。

1984年の事件で真犯人とともに倉木が背負った罪と罰は、今後の展開を大きく変えるものでした。

倉木の嘘と救済

事件を調べるのは主に4人の登場人物。

2人の刑事・五代と中町、被害者側の白石美令と加害者側の倉木和真です。

東野さんが描くミステリーを読んできた私は、今回も刑事さんに期待してしまいました。でも警察、無能すぎる・・・。

『白鳥とコウモリ』は、美令と和真の2人に重きを置いているようですね。

倉木の息子・和真は父らしからぬ供述に、白石の娘・美令も、倉木の供述に登場する父に違和感を感じます。

もしかすると父は嘘をついてるんじゃないか

あたしも、あなたのお父さんは嘘をついていると思います。うちの父は、あんな人間ではありません

倉木はなぜ過去の罪を被るのか。

単純に考えれば、誰かを庇っているということですよね。倉木が1984年の事件の犯人だと告白したことで救われた人たちがいるんです。 

「あすなろ」の浅羽洋子と娘の織恵。

洋子の夫は1984年の事件の被疑者とされ自殺。倉木が犯人だと名乗り出れば、洋子の夫は潔白だったと証明されたことになります。

ひつじ。
ひつじ。

倉木は2人を救済したくて嘘をついた?

彼が本当に庇っていた人物は他にいたのだけど・・・。自分の息子の幸せを考えなかったのかと、少し違和感が残りました。

タイトルの意味|逆転した白鳥とコウモリ

タイトル『白鳥とコウモリ』は、被害者側と加害者側を指しています。相反するもの(ここでは美令と和真)。

相反する立場なのに、どちらも事件の真相に納得していません。真実を突き止めたいとの目的は一緒でした。

光と影、昼と夜、まるで白鳥とコウモリが一緒に空を飛ぼうって話だ

光と影、昼と夜、白鳥とコウモリ・・・。その2つ(ここでは被害者側と加害者側)は決して交わることのないもののように思えます。

でも交わる瞬間があるんですよね。光と影の間には物体があり、昼と夜の間には夕方があるように。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

願わくば、2つが溶け合ったままでいて欲しかった。

『白鳥とコウモリ』表紙の文字がグラデーションになっているのに気づきました。「白鳥」はホワイトで「と」はグレー、「コウモリ」はブラックです。

グレーの「と」は主役ではないけど、2つを繋ぐ重要な文字。小説を読み終わった後では感慨深くなります。

ひつじ。
ひつじ。

白鳥とコウモリが逆転するのは鳥肌がたった。

ひっくり返った真実|結末のネタバレ

事件の真相は、後半、ガラッと変わりました。以下、ネタバレです。

  • 【1984年愛知の事件】真犯人は殺された白石健介だった(倉木は白石を庇う→結果、逮捕されたのは浅羽洋子の夫)
  • 【2017年、東京の事件】真犯人は浅羽織恵の息子だった(倉木は浅羽親子を守るために嘘をついていた)

予想はできたけど、被害者側が加害者側(美令)に、加害者側が被害者側(和真)に変わるというのはすごいですね。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

事件を起こした当人はもちろんだけど、周りの人たちにダメージがいくのは切なかった。

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