ミステリー・サスペンス

『リカーシブル』米澤穂信【あらすじと感想】ハルカとサトルとタマナヒメ

この記事に書かれていること
  • 米澤穂信さんの小説『リカーシブル』あらすじと感想
  • 居心地悪い町
  • 高速道路計画と水野報告
  • タマナヒメ伝承と小さな謎
  • ハルカとサトルの絆

少しだけネタバレあります。

この町はどこかおかしい

米澤穂信さんの小説『リカーシブル』感想です。久々の米澤作品でした。謎が散りばめられていて、ひとつひとつが興味深かったです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
姉弟の絆を感じました。

『リカーシブル』あらすじ

心突き刺す青春ミステリ

『リカーシブル』
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サクサク

【あらすじ】
越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は 弟とともに過疎化が進む地方都市で生活を始める。だが 町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ・・・。

『リカーシブル』感想

中盤が面白かったです。謎がたくさん散りばめられていて、どんな展開になるんだろうとワクワクでした。

ラストは想像にお任せという感じで唐突に終わり不完全燃焼。その後が気になってしまいました。

どこかおかしい町

主人公は中学生の女の子。名前をハルカといいます。・・・ちょっと大人びてる印象を受けました。

父親が犯罪を犯し蒸発。残された母とハルカと義理の弟・サトルは、かつて母が暮らしていた町へ引っ越しました。

この町が、どこかおかしい。

町の人とよそ者の境界線がくっきり見えるような仲間意識を感じました。時がたてば そういうのも解決するのかな。馴染むまでが居心地悪いですね。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
最後まで読むと、この町には馴染みたくないなと思ってしまう。かなりクレイジーです。

高速道路計画と水野報告

かつて町に高速道路が来るという計画が持ち上がりました。高速道路計画です。・・・でも頓挫してしまう。

よそから来た水野教授は 町に高速道路が通るAルートの利点をまとめたものを作りました。水野報告書です。

この町のひとたちは、水野報告がどこかにあると思ってるのね。そして、賞金までかけて探してる

水野報告があれば 高速道路がくるかもしれない

ひつじくん。
ひつじくん。
1度抱いた夢は諦められないものなんだね。高速道路がきても 町が活気づくとは限らないのに・・・。

水野報告が なぜ行方不明になっているのかというと、作成した水野教授が報橋から落ちて死んでしまったからです。

何かあるんじゃないかとドキドキでした。

タマナヒメ伝承

サトルは未来が見える?

不思議なことがおこります。福引き所で発生した置き引き事件。ハルカと友だちのリンカは 置き引き犯を追いかけるのですが見失ってしまいます。

「ぼく、見たことある。知ってるよ、犯人がどこに行ったか」

ひだまりさん。
ひだまりさん。
犯人がどこに行ったかを知ってると言うサトル。未来予知?

この町には古くから “タマナヒメ” という不思議な力を持った人が存在するとされていました。

“タマナヒメ” は 自らを犠牲にすることで町が救われる未来を見通すことができる力をそなえています。願いが叶うと自殺する。

サトルは タマナヒメなのか?

未来が見えるのは魅力にあふれていますが そんな能力ない方がいい。しかも町に伝わっているタマナヒメは自らが犠牲になるわけだから・・・。

サトルも、サトルを見守るハルカも疑心暗鬼にかられ苦しみます。胸が痛くなりました。

小さな謎

タマナヒメについて調べていた学校の先生・三浦がほどなくして車の事故にあいます。

「ぼくは、狙われたんだと思う」

なぞが謎をよび一気に読みました。毎回思うのですが、米澤さんは小さな謎を描くのが上手いですよね。

  • 消えた『常井民話考』のなぞ
  • タマナヒメはだれか
  • 水野報告はどこにあるのか

なぞは最後に解決されます。

姉弟の絆

ひだまりさん。
ひだまりさん。
ハルカとサトルを見ていると 兄弟っていいなと思いました。

血の繋がりはない2人です。ハルカは父親の連れ子。

父親が蒸発したあとの張りつめたハルカが不憫です。母ともサトルとも血は繋がってないから、いつかは家を出なければと覚悟をしている彼女。・・・そうゆうもの、なのかな。

父から母に離婚届が送られてきたときに決定的になってしまいます。晴れ晴れとした母が憎たらしくなってしまいました。

だから余計にハルカとサトルの絆が心に染みたのかも。血が繋がっている姉弟よりも、しっかりとした強い繋がりを感じました。

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ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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