『トップリーグ』あらすじ&ネタバレ感想文|一大疑獄 クラスター事件の結末|相場英雄|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

『トップリーグ』あらすじ&ネタバレ感想文|一大疑獄 クラスター事件の結末|相場英雄

ひだまりさん。
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
この記事に書かれていること
  • 『トップリーグ』あらすじと感想文
  • ロッキード事件とクラスター事件
  • トップリーグになった松岡
  • 筒美ルートを追う酒井
  • 阪の古キズ
  • 結末について

ネタバレあります。ご注意ください。

永田町激震の特大スクープ!

相場英雄さんの小説『トップリーグ』感想です。WOWOWドラマ化された原作小説を読みました。主演は玉山鉄二さんです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

面白かったよ。後半はドキドキが止まらなくなった。

相場英雄さんの小説を読むのは2冊目です。大手の電機企業・三田電機 (モデルは東芝) の「不適切会計」を扱った『不発弾』もおすすめ。

あわせて読みたい
『不発弾』あらすじとネタバレ感想文|ブラック・マネーを操る男|巨額の粉飾決算と結末|相場英雄
『不発弾』あらすじとネタバレ感想文|ブラック・マネーを操る男|巨額の粉飾決算と結末|相場英雄

本作に三田電機の描写もあって、時系列が繋がっているような気分になりました。

『トップリーグ』あらすじ

政界の闇に斬り込む!

あらすじ

大和新聞 入社15年目の松岡直樹は 政治部へ異動になり官房長官番となった。そしてトップリーグへ。一方、松岡と同期入社だった酒井祐治は 大手出版社で週刊誌のエース記者として活躍していた。都内の埋立地で発見された1億5千万円の真相を追う酒井だったが、昭和史に残る一大疑獄事件が浮かび上がってきて・・・。

ロッキード事件を元にした一大疑獄クラスター事件

『トップリーグ』のキモとなるのが、昭和史に残る一大疑獄・クラスター事件です。

都内の埋立地で発見された1億5千万円が入った金庫。それが未だ解明されていないクラスター事件へと繋がっていきます。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

クラスター事件はロッキード事件を元にして描かれているみたい。

ロッキード事件

アメリカの航空機製造大手のロッキード社による主に同社の旅客機の受注をめぐって、1976年(昭和51年)2月に明るみに出た世界的な大規模汚職事件。

埋立地で発見された1億5千万円はクラスター事件の時に流れた金なのか、政治家とどう関わっているのか。

ひつじ。
ひつじ。

ドキドキの展開だった。

『トップリーグ』ネタバレ感想文

『トップリーグ』は2人の記者にスポットをあてて、政界の闇を追いかけていくお話です。

  • 大和新聞の記者・松岡・・・官房長官・阪の番記者 (トップリーグ) となる
  • 週刊誌の記者・酒井・・・埋立地で発見された1億5千万円の真相を追いかける

彼らは2人とも好印象でした。舞台は永田町です。

一大疑獄を暴く過程は面白いのだけど、ラストだけは納得出来ませんでした。決着がつくことなく読者におまかせな終わり方です。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

この結末はないわ・・・。どっちかハッキリして終わらせてほしかった。

阪官房長官番・トップリーグになった松岡

政治部に異動になった松岡は阪官房長官に気に入られ、トップリーグの仲間入りをします。

官房長官番 「トップリーグ」 という言葉が気になりました。

トップリーグとは

総理大臣や官房長官、与党幹部に食いこんだごく一部の記者のこと。

ひつじ。
ひつじ。

トップリーグという言葉はないようだけど、番記者って大変なんだね。

気に入られれば表向きの記者会見発表だけでなく、官房長官の本音が混じった言葉も聞くことができます。1対1 (サシ) で飲みに誘われたりも・・・。

ポイントは、なぜ松岡が気に入られたのか。

阪は松岡の記者会見でのひとこと、「金庫」 に反応したのです。

筒美ルートの消えた金を追う酒井

週刊誌のエース記者・酒井は、都内の埋立地で発見された1億5千万円の真相を調べ始めます。

お札は聖徳太子、帯封は日本不動産銀行のものでした。そこに引っかかった酒井。

日不銀は政治家の財布だった、そんな話を聞きました

クラスター事件、筒美ルートの消えた金なのではないか―。

当時の日不銀 (日本不動産銀行) で裏の任務を務めた男・久保に取材を申し込みます。でも詳しく話してはくれませんでした。

やがて久保は死んでしまうのです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

クラスター事件を追う酒井の視点は、ミステリー感があって続きが気になる。

阪の古キズ

昭和の一大疑獄・クラスター事件の筒美ルート。それには大物政治家が関わっていました。

間違いなく政権がひっくり返る。おまえにその覚悟はあるか?

ひつじ。
ひつじ。

ほんとうに政権がひっくり返るかもね。

プロローグで幸田とある男が何か (金庫) を埋めるシーンが描かれていました。初めはよく分からなかったけど、読み進めるうちに1人の政治家が浮かんできます。

阪官房長官。

手に残った古キズの描写で気づきました。酒井は追い詰めようとするけど、様々な圧力がかかって命を落としそうになるんです。

絶対絶命のなか、後を引き継いだのは阪官房長官番記者の松岡でした。

育児支援法案か、筒美ルートの全容か―。松岡の決断は?

松岡は阪に問いただそうとするけど、彼を待ち受けていたのは阪、そして芦原総理と松岡の上司・阿久津部長です。

育児支援法案か、筒美ルートの全容か。

松岡が望んでいた育児支援法案を、次の臨時国会での目玉にすると芦原総理から提案がなされました。筒美ルートが明かされれば政権は崩れる。そうなると育児支援法案どころではなくなる・・・。

これは、取り引き?政界の闇を感じます。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

酒井たちにかけられた圧力も、うやむやで真相は最後まで語られなかったのが残念。

納得できない結末

面白かったのに結末が肩透かし。結局、松岡はどっち (育児支援法案か、筒美ルートの全容か) を選んだのか 書かれてないんです。

不完全燃焼でした。

筒美ルートの全容を明らかにして政権をひっくり返して欲しいけど、彼なら育児支援法案を選ぶかも・・・とも思ってしまいます。

ひつじ。
ひつじ。

もうどっちでも良いから、どっちかに決めてから終わらせて欲しい。

こうなるとドラマの結末が気になってきます。原作と同じくうやむやにするのか、松岡がどちらかを選ぶのか・・・。

結末は微妙だったけど、それ以外は文句なしに面白かったです。

あわせて読みたい
『不発弾』あらすじとネタバレ感想文|ブラック・マネーを操る男|巨額の粉飾決算と結末|相場英雄
『不発弾』あらすじとネタバレ感想文|ブラック・マネーを操る男|巨額の粉飾決算と結末|相場英雄
あわせて読みたい
面白くて一気読み!徹夜本・おすすめ小説|ミステリー、SF、ホラー作品
面白くて一気読み!徹夜本・おすすめ小説|ミステリー、SF、ホラー作品
あわせて読みたい
読み始めたら止まらない!面白い小説15選|ミステリー&ホラー、SFおすすめ
読み始めたら止まらない!面白い小説15選|ミステリー&ホラー、SFおすすめ
本を読むなら
Kindle Unlimited

本を読むなら、本読み放題「Kindle Unlimited」がおすすめです。無料体験あります!

本読み放題

Kindle Unlimited

Amazonの本読み放題サービス「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」がお得。

  • 200万冊以上が読み放題(小説やビジネス書、雑誌、コミックなどいろんなジャンルが対象)
  • お好きな端末で読める
  • 30日間の無料体験あり(初めてご利用の方。期間終了後は月額980円)

まずはお試し無料体験

記事URLをコピーしました