スキマ時間に短編集

『罪人の選択』あらすじ・ネタバレ感想|罪人は必ず間違った選択をする!?|貴志祐介

この記事に書かれていること
  • 『罪人の選択』あらすじと感想・レビュー
  • 過去と現在が交差する2人の罪人
  • 佐久間茂 VS 罪人・磯部
  • 佐久間満子 VS 罪人・黒田正雪
  • 焼酎の一升瓶とフグの缶詰|毒入りはどっち?

ネタバレあります。ご注意ください。

人はなぜ過ちを繰り返すのか。

貴志祐介さんの小説『罪人の選択』感想です。4つの短編集。表題作以外はSFミステリーでした。全く違う世界観で重厚。短編だけど読み応えたっぷりです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
1番好きなのは表題作。「赤い雨」 も良かった。

表題作 「罪人の選択」 はSF感はあまりなかったけど、その分、推理ミステリーが強くて私好みでした。「赤い雨」 は もろSFです。こちらも良かった。

ひつじくん。
ひつじくん。
表題作 「罪人の選択」 のレビューだよ。

『罪人の選択』あらすじ・評価

4つの短編集

本の評価

おすすめ
かんどう
いがいさ
サクサク

【あらすじ】
「夜の記憶」―『十三番目の人格―ISOLA―』『黒い家』の本格デビュー前に書かれた貴重な一編。貴志祐介ワールドの原点!「呪文」―『新世界より』の刊行後ほどなくいて発表された短編。惑星「まほろば」で何かが起きている…。「罪人の選択」―「罪人」の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。果たして正解は?「赤い雨」―新参生物のチミドロによって、地球は赤く蹂躙された。スラム出身の瑞樹はRAINの治療法を探る。最新SF!

本の目次
  • 夜の記憶
  • 呪文
  • 罪人の選択
  • 赤い雨
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『罪人の選択』ネタバレ感想

表題作 「罪人の選択」 は、心理描写が描かれた推理ミステリー小説。ラストはゾッとしました。

ひつじくん。
ひつじくん。
面白かったー。罪人の心理描写が興味深い。

罪人は必ず間違った選択をする。なぜ人は過ちを繰り返すのか。

やましい事があるとき、裏の裏まで勘ぐって物事を見てしまうものなのかもしれませんね。

過去と現在が交差する2人の罪人

過去と現在のストーリーが交互に展開されていました。どちらも防空壕の中で繰り広げられます。

罪人が選択を迫られるのは、焼酎の一升瓶とフグの缶詰。

片方は毒入りです。2人の主人公 (過去と現在の罪人) はどちらかを選んで口にしなければなりません。

2人の罪人
  • 過去の罪人 → 磯部
  • 現在の罪人 → 黒田

2人の罪人はどちらを選ぶのか。そして毒入りはどちらなのか。最後までドキドキが止まりませんでした。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
毒入り、どっちだろう?

佐久間茂 VS 罪人・磯部|過去ストーリー

佐久間茂の妻にちょっかいを出した磯部。茂に捕まり、防空壕の中へ連れてこられました。

「ここにある焼酎の一升瓶と缶詰の、どちらか一方は毒入りだ。致死量は計算できないが、おそらくは、ほんの一口でも命がないだろう」

ひつじくん。
ひつじくん。
うへぇっ。何だかロシアンルーレットみたいだね。

助かる確率は2分の1。どちらかは毒入りです。なぜ 焼酎と缶詰なのか。茂からヒントがありました。

ヒント

正解は 磯部への感謝。毒入りの方は 磯部に対する憤り。

茂が戦争に行っていたとき、磯部は彼の妻に食糧を分け与えていました。普通に考えたら 感謝というのはそのこと。つまり缶詰 (食糧) を指しています。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
缶詰よりも焼酎の方が危なさそう。毒も入れやすそうだし・・・。

でもその缶詰は佐久間の父自家製のフグ缶でした。フグって、毒がある・・・? 自家製というから、危険な感じもしてきます。

悩む磯部の心理描写や、葛藤が細かく描かれていて読み応えありました。果たして、彼はどちらを選ぶのか。

佐久間満子 VS 罪人・黒田正雪|現在ストーリー

過去の磯部のストーリーの合間に、現在の罪人・黒田のストーリーが描かれています。状況は全く一緒でした。

茂の娘・満子が防空壕に黒田を連れてきて、焼酎の一升瓶かフグ缶かを選ぶように強要します。黒田は満子の恋人でしたが、他の女の子にちょっかいを出したのです。

満子からのヒント

十八年は、古い恨みをぬぐい去るにも、新たな怨念を生み出すにも、充分な年月なのよ

ひつじくん。
ひつじくん。
18年は古い恨みをぬぐい去って、新たな怨念を生み出す。これは、どういう意味だろう。意味深だ。

磯部がどちらかを選んでから18年後。残念ながら、彼は毒入りの方を選んでいました。防空壕の隅には磯部の死体があったのです。

黒田は、何かヒントがないかと磯部の死体を調べはじめました。そこにはガラスの破片が・・・。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
磯部が毒入りの方を選んだなら、彼が選んでいない方にすれば助かることになるね。

果たして、黒田は正解を当てることができるのか。

焼酎の一升瓶とフグの缶詰|毒入りはどっち?

黒田は、見事に磯部とは違う方を選びました。でも結論を言うと、磯部と同じように黒田も毒が回って死んでしまうんです。

毒入りを選んだ磯部とは、違うものを選んだというのに・・・。

ひつじくん。
ひつじくん。
毒は片方しか入ってなかったんだよね。何で?
ひだまりさん。
ひだまりさん。
意味深だった満子の言葉通りだったよ。18年の年月がポイント。

黒田は満子のヒントを無視すべきじゃなかった、ということです。そして磯部は考えすぎてしまった。

結局、黒田も磯部も毒が回って死んでしまいます。やましい思いがあるからこそ、考えなくて良いことも深く考えすぎてしまうのかもしれません。

罪人は必ず間違った選択をするもの・・・という言葉が頭をよぎり、ゾッとしました。

読む時のポイント
  • 磯部が選んだのは何か
  • 黒田が選んだのは何か
  • なぜ2人は違うものを選んだのに、毒が入っていたのか

なかなか興味深い展開。人ってなぜ過ちを繰り返してしまうのでしょうか。2人の罪人は その代償が死という重い結果になりました。

彼らが何を選んだのかは、ぜひ『罪人の選択』を読んで確かめてみて下さい。

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ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら