ミステリー・サスペンス

御子柴礼司シリーズ『恩讐の鎮魂曲』中山七里【あらすじと感想】真実の行方

御子柴の恩師が逮捕された!?

中山七里さん『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』
悪辣弁護士、御子柴礼司シリーズの3作目。『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』を読みました。

このシリーズは・・・

『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』があります。1作目は過去にWOWOWでドラマ化されました。主演の三上博史さんが素敵でした。

少しだけネタバレあります。

『恩讐の鎮魂曲』あらすじ

御子柴礼司シリーズ3

『恩讐の鎮魂曲』
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【あらすじ】
御子柴の恩師・稲見が殺人罪で逮捕された。御子柴は稲見の弁護を申し出るが・・・。

『恩讐の鎮魂曲』感想

このシリーズのテーマである「裁かれない罪」と「贖罪」。1作目と2作目では少年犯罪を、そして本書では緊急避難を扱っていました。

・・・うーん。なんか理不尽。

裁かれない罪人たち

本書の主人公、御子柴礼司は、過去に犯罪を犯していました。死体配達人と呼ばれ、少年院に入り、弁護士になった経歴の持ち主です。少年法により裁かれない罪人。本作にはもう一人、法の罪に問われなかった人が登場します。韓国のブルーオーシャン号が転覆した事故で生き残った彼。

裁判で無罪になってしまいます。刑法第37条 緊急避難によって。

その後、彼がどんな人生を辿ったのか。法では無罪になっても世間ではそうはいかない。法じゃないものに裁かれます。それを見つめる、同じく裁かれない罪人である御子柴の思いは複雑。そして、主人公の恩師である稲見武雄が殺人罪で逮捕されてしまいます。

法の限界

少年院時代の恩師、稲見武雄が殺人を犯した―。

御子柴は弁護を引き受けます。あの手この手で無罪を主張しようと奮闘する主人公に対し、稲見は罰を受け入れようとする。

裁判の展開は、新事実が次々と出てきて面白かったです。意外な人物との繋がり。真実の行方が気になり読むのをやめられません。中山七里さんはどんでん返しの帝王ですね。

なんとしても恩師を救いたい一心の主人公。御子柴の意外な一面を垣間見た気がします。

御子柴が熱い!!シリーズの中では一番、熱い彼が描かれていました。

刑法第37条によって裁かれなかった罪と、裁かれた罪。その違いはなんだろう・・・。最後は法の限界を感じました。

贖罪の気持ち

本書を読んでいると、贖罪という言葉が重くのしかかってきます。

死体配達人と呼ばれた主人公。このシリーズは3作すべて読みましたが、毎回、かつて少年Aが起こした神戸の事件を連想します。御子柴が好きでこのシリーズを読んでいますが、もし実際に起きた事件だったら・・・と思うと、何をしても許せないかもしれません。

小説だから御子柴に好意を持つけど、リアルだったら近づかないだろうな。

本書の主人公は少年法により裁かれなかったけれど、贖罪の気持ちを背負いながら生きていました。世間から許される日は来ないだろうけど、少年Aのような法に裁かれなかった人たちにも同じように生きてほしいと思いました。

ABOUT ME
ひだまりさん。
ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら

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