- 吉野源三郎さんの小説『君たちはどう生きるか』あらすじと感想
- コペルくんと叔父さん
- コペル少年の過ち (共感したこと①)
- 苦痛を感じて幸せを知る (共感したこと②)
少しだけネタバレあります
君たちは、どう生きるか。
吉野源三郎さんの小説『君たちはどう生きるか』感想です。宮崎駿さんのアニメが予定されていたり、漫画版が何かと話題になっていますね。
1982年に出版されていますので、今から35年くらい前の本ですか。
不思議な気持ちで読みましたが、なるほど心に響くものがありました。
もくじ
『君たちはどう生きるか』あらすじ
自分の行いを思い返したくなる1冊
中学生のコペル少年の日常。その中で体験する出来事や悩みをおじさんを通して見つめ直していく。少年の成長していく姿を描いた物語。
『君たちはどう生きるか』感想
哲学的。道徳の授業を受けている気になりました。わかりやすいようで分かりにくい部分もあって、スラスラ読めるものではなかったです。
でも共感したことがありました。
- コペル少年の過ちについて
- 苦痛により、幸せを実感できることについて (最近の経験を元にしています)
可愛いコペルくんと頼もしい叔父さん

『君たちはどう生きるか』は 15歳のコペル君 (本田潤一くん) が友だちや叔父さんと過ごす中で、様々な経験から物事を考えていくお話になっています。
テーマは タイトルそのまま 「どう生きるか」。
背が低いのが悩みのコペルくん。私も小さいので、この気持ち分かる。イタズラ好きで、まっすぐな心を持っていて。主人公が可愛いんですよね。
- 「ガッチン」 というあだ名の北見くん
- お金持ちの家の水谷くん
- 水谷くんのお姉さん
- お豆腐屋さんの家の浦川くん
- コペル君のお母さん
- コペル君の叔父さん
友だちも個性的で面白いことながら、この叔父さんが様々なことを教えてくれる先生みたいな存在でした。
コペル少年の日常、おじさんのノート・・・と交互に描かれています。”おじさんのノート” には彼に宛てた大事なことが書かれていました。
ここが哲学的な感じで理解できたり出来なかったりしますが、この小説のキモとなっています。
コペル少年の過ち (共感したこと①)

共感したこと①
共感したことの一つは、「雪の日の出来事」 のエピソードから始まります。
友だちの北見くんが上級生に目をつけられます。言い合いになり、それを見ていた水谷くん、浦川くんは助けに入る。でもコペル君は助けに入れませんでした。
彼は思い返しては悔やみ、熱を出して寝込んでしまいます。そして布団の中で考えていたことは言い訳でした。
私も過ちを犯してしまったとき、言い訳を考えてしまうことがあります。コペル君と同じだ・・・と思った瞬間、本から顔をあげて自分の行いを思い返していました。
過ぎ去った過ちは仕方がないけど、そのことについて後悔することが大切。
いくら言い訳を言い繕ってみても、やっぱり言い訳に過ぎなくて。そのことは痛いくらい自分がよく分かっています。
言い訳も考えてしまったけど、最後には自分の非をきちんと認めて 友だちにも正直に打ち明けたこと。
自分の過ちを認めることって辛いことです。でも自分に嘘をついて誤魔化してしまうのってダメですよね。
しっかり後悔することで人間性に深みが増すし、その後の人生や生き方が変わってきます。
苦痛を感じて幸せを知る (共感したこと②)

共感したこと②
2つ目に共感したことは 「苦痛を感じて幸せを知る」 ということ。
コペル君は 過ちを後悔をすることで痛みを知りました。友だちを失くすかもしれないという危機感と 友だちの大切さも実感しました。
苦痛を感じて幸せを知る。
“おじさんのノート” に書かれていることが心にグサっと刺ささりました。
からだに痛みを感じたり、苦しくなったりするのは、故障が出来たからだけれど、逆に僕たちがそれに気づくのは、苦痛のおかげなのだ。
もしも体が故障しているのに痛みを感じなかったら 命に関わってくるかもしれません。苦痛や痛みってイヤなイメージですが、大切なサインなんですね。
風邪をこじらせていた私には痛い言葉でした。
【共感したこと まとめ】
苦痛とか痛みというものは 誰でも感じることです。人間じゃなくて犬や猫でも。でも 後悔とか反省という感情は人ならではのもの。
- 過ちを犯しても誤魔化さずに認めること
- しっかり後悔すること
- 同じことを繰り返さないこと
- 風邪をひいたら しっかり休むこと
私はどう生きるか
深い1冊でした。私は小説を読みましたが、漫画版も読んでみたくなります。
私はどう生きるか。
過去の自分をもう1度振り返ってみたくなりました。自分に正直に生きていきたいです。
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