『Another』あらすじ・ネタバレ感想文|いるはずのない誰か|綾辻行人
- 『Another』あらすじと感想文
- 三年三組の呪い
- ミサキ・メイは存在するのか
- 死の連鎖
少しだけネタバレあります。
“もうひとり”は、あなたの隣にいる。
綾辻行人さんのホラー小説『Another』感想です。けっこうなボリューム。映画化、アニメ化もされているのですね。
怖くて面白かったよ。
『Another』あらすじ
“死者”は誰なのか?
1998年の春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一は、クラスの雰囲気に違和感を覚える。まるで何かに怯えているような・・・。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた。いったい 何が起こっているのか? 呪われたクラス。それは26年前、ある「善意」から生まれた―。
『Another』ネタバレ感想文
『Another』はホラー・・・、紛れもなく学園ホラーです。
こんな「呪い」があったらイヤですね。ありえないけど、怖くて面白くて読むのを止められませんでした。
あの人が”死者”!?
ほんとうに意外な人物で、声をあげそうになりました。
そう繋がるのね。
三年三組の呪い
夜見山北中学に転校してきた主人公・榊原恒一が感じたクラスの違和感。
みんな何かに怯えている?
夜見山北中学三年三組には、ある”呪い”があったのです。初めの方では、なかなか明かされず(恒一に知らされず)。・・・なので、モヤモヤしながら読み進めました。
前半で気になったことがあります。
ミサキ・メイ。彼女は存在しているのか。
いったい、このクラスには何があるの?
ミサキ・メイは存在するのか
見崎鳴は、同じクラスの女の子です。恒一の中では彼女はちゃんと存在しているけど、他の生徒や担任の先生は存在していないかのように接していました。
ひょっとして幽霊?
中盤で、彼女はちゃんと存在していることが分かるのだけど・・・。メイの机だけ古かったり、クラスの中では存在していないふうに振る舞われているからドキドキします。
これも全て”呪い”が関係しているのかな。
止まらない死の連鎖
次々と人が死んでいく。
“呪い”のせいなんだけど・・・。今年の三年三組には、いるはずのない誰かが紛れこんでいるらしい。そしてその誰かは死んでいるはずの人。
“死者”は誰なのか。
後半はそれが気になり一気に読みです。意外な人物でした。
綾辻さんはトリックが上手いですね。以前に読んだ『十角館の殺人』に続き、またしても騙されました。
根本的な問題は解決していない気がするのだけど。
この年はとりあえず連鎖は止まったとして、でもそのうち 「ある年」 はやって来るわけです。その年がきたら、また同じことを繰り返すのか・・・と考えてしまいました。
『Another』はハマる怖さがある!
グロいのが苦手ということで、綾辻さんの本は避けていたのだけどグロくない!!
この怖さにハマります。
それだけではないんですよね。伏線の回収や、トリックが見事で華麗。表紙が少し怖くて・・・、中身もやっぱり怖いけど、やめられない面白さがありました。
ハマったよ。おすすめ。