『此の世の果ての殺人』ネタバレ感想文・あらすじ|終末ミステリー&バディ小説|荒木あかね|ほんのたび。読書感想文とあらすじ

『此の世の果ての殺人』ネタバレ感想文・あらすじ|終末ミステリー&バディ小説|荒木あかね

『此の世の果ての殺人』感想文
ひだまりさん。
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この記事に書かれていること
  • 『此の世の果ての殺人』あらすじと感想文
  • 個性あふれる登場人物と終末世界
  • 犯人の動機について
  • 好きなシーン
  • キレイなラスト

ネタバレ&辛口レビューあります。ご注意ください

地球最後の謎解き!?

荒木あかねさんの小説『此の世の果ての殺人』読書感想です。最年少での江戸川乱歩賞受賞作品。

『此の世の果ての殺人』は、終末ミステリーのバディ小説です。

こういう終末ものの設定って、シリアスで好きなんですよね。どんな世界になるのか想像がつくのだけど面白い。登場人物に味があって良かったです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

読みやすかったよ。

『此の世の果ての殺人』あらすじ

第68回江戸川乱歩賞受賞作

あらすじ

小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める―。

『此の世の果ての殺人』ネタバレ感想文・解説|終末世界を描いたバディ小説

『此の世の果ての殺人』は、小惑星が日本に衝突するまでの数ヶ月を描いたミステリー小説です。

主人公のハル(小春)と、自動車学校の教官で元刑事のイサガワが殺人事件の捜査をするというストーリー。終末期だからこそ成り立つ設定になっていました。

ひつじ。
ひつじ。

いわゆるバディものなんだ。

ちょっぴり都合よく行きすぎるのと、犯人の目星がついてしまうのと、犯人の動機に違和感があったことに目をつむれば・・・、面白かったです。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

犯人がわかってからよりも、明かされるまでの方が楽しめたよ。

個性あふれる登場人物|舞台は終末世界

元刑事で自動車学校の教官・イサガワ先生が良い味出していました。

性格が尖っていて鋭く、正義感が強い。その正義感は少し歪んでいるのだけど、何かに突出したキャラって面白いですよね。

あと数ヶ月で小惑星が衝突して人類が終わるのに、慌てるでもなく日常をしっかり生きている姿が目を引きました。

ハルもそう。律儀にイサガワ先生から自動車の教習を受け続けるんです。父親が自ら命を絶ったあとなのに・・・。

ひつじ。
ひつじ。

終末世界では人の死がありふれたものになっていた。

自ら命を絶ったひとが放置されたままになっている描写は終末感がありました。

電気も止まり、コンビニからは食料が消え、荒れ放題の日本。

そんな中で普通に日常を過ごすハルとイサガワ先生をみていると、新井素子さんの小説『ひとめあなたに・・・』が思い浮かびます。

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『ひとめあなたに・・・』に登場する真理です。地球が滅びると知っても勉強をやめなかった女の子。

ハルとイサガワ先生と真理の考え方は全然違うけど、終末世界で日常を生きているのが印象的でした。

ひつじ。
ひつじ。

いろんな生き方と考え方があるんだね。

なぜ犯人は犯行に及んだのか

序盤で女性の他殺体を発見したハルとイサガワ先生。ここから推理を働かせるミステリー感がでてきます。

ふたりは犯人探を始めるんですよね。イサガワ先生が鋭くて、さすが元刑事!・・・とワクワクしながら読んでいました。

でも疑問がひとつ。

なぜ犯人は犯行に及んだのか。

あと数ヶ月待てば、小惑星が衝突してみんな死ぬのに。・・・よっぽど深い恨みでもあったのかな。それともサイコキラー的な動機?

調査をすすめるうちに、離れた他の場所でも遺体が2件、発見されていたことがわかります。どうやら同一犯のようで、一気にミステリー感が増しました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

こうなってくると犯人の動機が気になる。

この辺り、とても面白くて夢中で読んでいました。一番気になったのは犯人の動機です。

でも期待しちゃったからか、犯人がわかってからは拍子抜け状態に・・・。そこがちょっぴり残念ではありました。

違和感を感じた犯人の動機について

犯人(彼)が誰かは書かないけど、ミステリーを読み慣れた人ならわかってしまうレベルなんですよね。・・・やっぱりか、となりました。

犯人の動機がいただけない。

この世の中、どれくらい人を殺せば逮捕されるか試してたんです

サイコキラーでした。

暴走タクシーが出てきた時点でイヤな予感はしていたのですよね。普通に考えればサイコキラーに落ち着くのはわかるのだけど。

終末世界で「なぜ犯人は彼女を殺したのか」と、めちゃめちゃ興味をひいたのに、誰でも想像ができる動機だったのが残念。

彼の職業を考えたとき、「どれくらい人を殺せば逮捕されるか」がわからないことにも違和感を感じました。

たとえ終末世界で警察が機能してなくても、彼ならちょっと考えればわかるんじゃね?・・・と。

ひつじ。
ひつじ。

彼は頭の良い人物のはずなんだけど。

『此の世の果ての殺人』好きなシーン

『此の世の果ての殺人』のワンシーン、カキ小屋のところが好きです。

ハルとイサガワ先生が了道(りょうどう)兄弟と出会うところ。兄の暁人と弟の光はとても仲の良い兄弟なんですよね。

打ち解けた(?)4人がカキの缶詰めを焼いて食べるシーンが、ほのぼのとしていて心温まりました。

暁人と光は、この後もハルたちと行動を共にする仲間になります。

自動車学校の生徒と先生、服役中に脱獄した兄と兄思いの弟。

ひだまりさん。
ひだまりさん。

なかなか異色の組み合わせだけど、みんな味があって良いキャラだった。

『此の世の果ての殺人』ラストが良かった

違和感を感じるところもあったけど、全体的には面白かった『此の世の果ての殺人』。キレイな終わり方でした。

一番最後、ラストが良かった。

ハルは自動車で行きたいところがあったのですよね。イサガワ先生もくっついてきて、悲壮感を感じない終わり方が美しく感じました。

この結末は良かったです。

ひつじ。
ひつじ。

読みやすいから読書初心者にもおすすめだよ。

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