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『銀河英雄伝説4 策謀篇』あらすじ・ネタバレ感想文|簡単な時系列とラグナロック|田中芳樹

『銀河英雄伝説4』策謀篇
この記事に書かれていること
  • 『銀河英雄伝説4 策謀篇』あらすじと感想文
  • 〈策謀篇〉時系列
  • 皇帝の誘拐事件と亡命
  • ラインハルトの作戦
  • ヤンの詭計
  • ラインハルトとキルヒアイス

ネタバレあります。ご注意ください。

行こうか、キルヒアイス、おれとお前の宇宙を手にいれるために

田中芳樹さんの小説『銀河英雄伝説4 策謀篇』読書感想です。とうとう宇宙を手に入れるために動き出したラインハルト。

第4巻〈策謀篇〉〜第5巻〈風雲篇〉にかけては、銀河帝国と自由惑星同盟の全面戦争が描かれていました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
第4巻では、ラインハルトの戦略が際立っていたよ。

「ラグナロック」作戦です。ヤンも大活躍しますが、ラインハルトの作戦を予測していたのに、今回も未然に防ぐことは叶わず・・・。

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『銀河英雄伝説4 策謀篇』あらすじ・評価

大河SF小説

本の評価

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【あらすじ】
第三勢力フェザーンに操られた門閥貴族の残党が七歳の皇帝を誘拐、自由惑星同盟の協力を得て帝国正統政府樹立を宣した。だが、フェザーン高官と密約を交わしていたラインハルトはこの状況を逆手に取り、フェザーン回廊を通って同盟へ大進攻することを目論む。その真意を見抜きながらもイゼルローン防衛から動けぬヤンと、帝国軍の双璧の一人ロイエンタールの死闘が幕を開けた。

『銀河英雄伝説4 策謀篇』時系列を解説

『銀河英雄伝説』簡単な時系列

宇宙暦798年(帝国歴489年)では、銀河帝国ラインハルトが自由惑星同盟に進軍します。発端はフェザーンによる銀河帝国皇帝の誘拐でした。

冷徹で、時に子どものような稚さを見せるラインハルト。彼は自由惑星同盟を制圧し、宇宙を手に入れられるのかー。

『銀河英雄伝説4 策謀篇』時系列を簡単にまとめました。

簡単な時系列

  • 宇宙暦798年7月
    銀河帝国皇帝の誘拐
    7歳の皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世、門閥貴族ランズベルク&シューマッハに誘拐される→自由惑星同盟に亡命
  • 宇宙暦798年8月
    ねじれた協定
    「銀河帝国正統政府(帝国旧体制派)」とヨーゼフ二世の亡命を認めた自由惑星同盟が協定を結ぶ
  • 宇宙暦798年9月
    ユリアン、フェザーンへ
    【自由惑星同盟】フェザーン駐在弁務官に任命されたユリアンは、マシュンゴを伴いフェザーンへ出立
  • 作戦会議
    【銀河帝国】自由惑星同盟に進軍すべき作戦会議。作戦名「ラグナロック」
  • イゼルローン要塞に進軍
    【銀河帝国】ロイエンタール、イゼルローン要塞に進軍
  • 宇宙暦798年12月
    フェザーン占領
    【銀河帝国】ミッターマイヤー、イゼルローン要塞に進軍と見せかけ、フェザーン占領
  • ケッセルリンク死す
    【フェザーン】ルパート・ケッセルリンク、父親ルビンスキーに返り討ち。ルビンスキーはその後、雲隠れ
  • ラインハルト、フェザーンへ到着
ひつじくん。
ひつじくん。
ラインハルトは、皇帝誘拐を利用したんだ。

『銀河英雄伝説4 策謀篇』ネタバレ感想文|銀河帝国&フェザーンVS自由惑星同盟

銀河帝国&フェザーンVS自由惑星同盟

『銀河英雄伝説4 策謀篇』では、銀河帝国がいよいよ自由惑星同盟へ進撃します。ラインハルトVSヤンの全面戦争へ突入。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
3カ国の力関係が崩れた。

3カ国というのは、銀河帝国、自由惑星同盟、そして商業大国フェザーンです。

今までバランス良く(でもないけど)保てていたかのように見えた3つの国にヒビが入る・・・。銀河帝国とフェザーンが盟約を結び、ラインハルトは同盟領へ進軍するのです。

発端は皇帝ヨーゼフ二世の誘拐事件。フェザーンの思惑によるものでした。

皇帝ヨーゼフ二世の誘拐事件と自由惑星同盟への亡命

フェザーンより、門閥貴族の残党・ランズベルクとシューマッハが帝都オーディンに戻ってきていることに不審を抱いたヒルダ。

「わたしは思うのです。フェザーンがテロを使嗾するとすれば、暗殺ではなく、要人を誘拐することではないか、と」

ヒルダ、鋭いですね。彼女が言う要人というのは、皇帝ヨーゼフ二世を指しています。・・・実はラインハルトにとっては願ったり叶ったりでした。

もしも、誘拐された皇帝を同盟が保護すれば、ラインハルトは同盟に侵攻する大義名分を手にいれることができる。

彼は皇帝が誘拐されることを見抜いていたのに、わざと助けなかったのです。

宇宙を手に入れるためには同盟を制圧しなければならないし、キルヒアイスとの約束だし・・・と、読みながらグチグチ悩みましたが、ラインハルトが冷徹に見えました。

ひだまりさん。
ひだまりさん。
キルヒアイスが生きていたら、ラインハルトを止めていたに違いない・・・。

キルヒアイスの死は、私にとっても大きな衝撃でした。つい、キルヒアイスが生きていたらと考えてしまいます。

皇帝を誘拐したランズベルクとシューマッハは、自由惑星同盟へと亡命。そして同盟は皇帝を保護しました。

ひつじくん。
ひつじくん。
ラインハルトにとっては、良い方向に転がったわけだ。

ちなみに、第2巻〈野望篇〉での内乱で、門閥貴族たちはラインハルトに一掃されています。

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その残党をけしかけたのはフェザーン。ルビンスキーとケッセルリンク父子の争いは、切なさを通り越して恐怖を感じました。

ルビンスキー、とにかく不気味です。

ラインハルトの作戦「神々の黄昏(ラグナロック)」

ラインハルトの作戦がみごとでした。作戦名は「神々の黄昏(ラグナロック)」、陽動作戦です。

この作戦のキモは

フェザーン回廊を通過して、同盟領に侵攻する

銀河帝国から同盟領へ侵攻するには、イゼルローン回廊を通るしかないと思い込んでいる同盟軍に、不意をつかせる戦略ですね。

「ラグナロック」作戦の概要は以下の通りです。

ラグナロック
  • イゼルローン回廊に兵をすすめる(←これは陽動)
  • イゼルローン要塞と派手に交戦
  • イゼルローン回廊に増援軍を送ると見せかけ、フェザーンへ兵をすすめ占拠する
  • 本陣はフェザーン回廊を通り、同盟領へ侵攻
ひだまりさん。
ひだまりさん。
恐るべし、ラインハルトの策略。

イゼルローン回廊にはロイエンタールを、増援軍(フェザーン占拠)にウォルフガング・ミッターマイヤー、ナイトハルト・ミュラーを任命しました。

ひつじくん。
ひつじくん。
陽動とバレないように、イゼルローンにはロイエンタール率いる大多数の兵を置くことにしたんだね。

もっとも、イゼルローン要塞を任されているヤンだけは、ラインハルトの動きをよんでいたのだけど・・・。

ラインハルトの考えが分かっても、結局どうすることもできなかったヤン。駐在弁務官としてフェザーンに滞在しているユリアンともども、苦味を感じました。

奇蹟のヤンは、イゼルローン要塞でロイエンタールと闘うことになります。

イゼルローン要塞VSロイエンタール|ヤンの詭計

『銀河英雄伝説』は、宇宙戦争シーンも迫力があって面白いんです。ヤンの詭計にハマったロイエンタール、危うし・・・でした。

おれとしたことが、功をあせって敵のペースにのせられてしまった。旗艦に陸戦部隊の侵入を許すとは、間の抜けた話だ

ひだまりさん。
ひだまりさん。
いつも冷静沈着なロイエンタールが・・・、珍しい。

銀河帝国軍が有利に思えた闘いだけど、ロイエンタールが虚をつかれたところが新鮮で面白かったです。

ヤンの詭計

自分が搭乗しない旗艦を囮に使い、誘いだされたロイエンタール艦隊に同盟軍艦隊を衝突させて味方を侵入させる。

侵入したのはシェーンコップです。彼とロイエンタールの一騎打ちも迫力がありました。・・・結局、ロイエンタールを捉えられず、退くことになったけど、みごとな策略です。

ひつじくん。
ひつじくん。
ヤンとシェーンコップ、良いコンビだね。

ちなみにイゼルローン要塞は、もともと帝国軍の要塞だったけど、第1巻〈黎明篇〉で同盟軍ヤンが奪い取りました。この攻略戦も面白かったです。

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キルヒアイスに語りかけるラインハルト

ラインハルトが首にかけたロケットを眺め話しかけるシーンが何度とありました。

そのロケットの中には、姉アンネローゼとキルヒアイスとラインハルトの3人の写真が収まっています。

「行こうか、キルヒアイス、おれとお前の宇宙を手にいれるために」

ひだまりさん。
ひだまりさん。
キルヒアイスに語りかけるシーンが好き。

冷徹なラインハルトを見るたびに、キルヒアイスがいてくれたら・・・と思うこともあるけど、彼の中ではいつもキルヒアイスと一緒。

ほっこりしました。宇宙を手にいれることは、キルヒアイスの願いでもあるんですよね。

ひつじくん。
ひつじくん。
これからもラインハルトは、キルヒアイスとともに歩んでいくんだろうな。
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ひだまりさん。
ひだまりさん。
別館ではアニメのレビューも書いてるよ。
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ゆるりと本をよんでいます。ミステリー、ホラー、SF、ファンタジー、何でもよみます。ほとんど小説、ときどき絵本。→ 詳しいプロフィールはこちら